かっこいい男は料理ができる。

2003/02/08

今の男は料理ができないと将来破滅を見る。って言われてます。

そう。今の世の中卵なんか割れて普通。味噌汁なんか目分量の味付けで完璧なものを仕上げるのが男の料理といえよう。もう昔みたいにデッカイ大根なんかがモリモリ入ってたり、ニンジンとかがほとんど生だとかそういった未熟な料理を人前に出して男の料理だ!って言ったらみんなにすすり笑われます。今は完璧に料理を作れないといけません男たるとも。

そういった意味でもヒロさんは最高の夫になると思うんですよ。妻がもし風邪で倒れたら真っ先に男の料理で子供たちが「わーファザーの料理の方が美味しい。マザーの料理にはもう飽き飽きしてたんだよねぇ〜♪」っとか言って、最高の親父を演じます。

洗濯だって完璧。ブラジャーとかもの凄いスピードで干しますからね。バイトとかの影響もあってか、ヒロさんの洗濯技術はNASAのスペースシャトルに匹敵しますよ。誰にも俺を抜けない。

掃除なんかさせてみてはどうでしょうか?掃除機なんかもう、電源入れなくても掃除できますよ。ガムがおちてようとウンコが落ちてようと俺には関係ない。掃除に関しては俺はブリブリ言いますから。うるさいよ、俺に掃除を語らせたら。


そんな風に人に言いまわしてた俺。昨日母が熱でぶっ倒れました。

俺のバトルはここで始まった。

まず俺の目の前に広がるのは山のような皿。皿ばかりがフライパン山みたいにモロンとつみあがってるわけですよ天高く。最近皿洗いをサボりぎみで、母にやらせることが多くなってたのもあって、皿の山はライトの近くまで高くつみあがって、マジで部屋を暗くしてました。

そんなバカな、とか思いながら皿と戦う俺。気がつけば夜中の1時。ああもう更新は無理だなと、自分のHPの更新まで諦める次第。

今日バイトから帰ってきてさらに再び皿と戦う。そう、あまりの皿の多さに深夜までかかった皿洗いだけでは全てを処理できなかった。例えればアニメなんかに出てくる夏休みの宿題。周りが見えないくらいまでつみあがるその皿の数に一人感傷に浸ってみた。スマナかった母よ。こんなになるまでほっておいて・・・

やっぱ風邪を引いてる母なんかを見てたら、俺も一人前の息子になったんだ。母よ見てくれといわんばかりのステキなイベントを引き起こしたくてたまらなくなるんですよ。母の日にカーネーションをあげるようなその程度の真心じゃダメなんですよこういうときは。

風邪といえばやっぱりね、玉子酒。うんそれしかないと、もう凄い勢いでヒラメキを憶えたりするんです。俺みたいなダメな頭にはそういうありきたりなことしか思いつかない。卵酒の一つがなんだ。そんなもん俺の手にかかったら楽勝だっつーの。

ネットで卵酒の作り方の書いてあるHPをチョイス。準備は完璧。もう何もかもがうまくいってた。痛い系と世の中でののしられる俺だが今日ばかりは幸いにもなにも不幸は起きない。

普通痛い系な人間だったら、ここで酒が無いとかいって閉店まぎわのダイエイなんかに走って、酒を買おうとしたが店員さんに「未成年に酒を売ることはできません」とかいって止められて。仕方ないから家にあるビールなんかを調理酒代わりに使ったらマズかったという、ちびまるこちゃんなんかみたいな予想できるようなオチでしめてくれるはずなんですよ。

しかしそういった予想できるような痛い系イベントはおきない。癒し系アイドルに対抗した痛い系アイドルの俺にこういったイベントがおきないなんて、逆に読者に死ねってメールを送りつけられそうだが。

さっそくナベに酒を200CC入れる。でも俺は男当然酒の量なんか目分量。あきらかにその量は300ccだけど、そんなことは知ったこっちゃ無い。

砂糖は大さじ4杯?んなもん知らねぇよ!モリモリと砂糖を注ぐ俺。

卵の黄身だけを一玉落として、糸なんかを作る。完璧だ俺。

そして完成。



うん素晴らしい。


ん?ちょっと待て俺!

おかしいぞ。何かがおかしいぞ今日は。いつもならこの時点で相当恐ろしい物になってるはず。前例(その一その二)もあって、もう見た目から普通の物はできたことない俺流料理。普通ならもうこの時点で「ああ、今回ももうダメだな」って食べるまでも無く完璧にその料理の中身までわかってしまういつものオチ。

いいのか?本当にいいのか?

こんなありきたりな主婦ってるHPで本当に読者は満足するのか?いいのか?なんならここで無理矢理オチ作りに全裸で自分の写真でも撮っておこうか?

一口そのモワモワした卵酒を食べる・・・・こ、これは!!



完成です!俺流料理!それではみなさん!見てください!



完成!

味噌汁に変えちゃったよ俺!

卵酒を食べた時、喉が焼けるのがわかった。咳き込む俺。風邪でもないのに咳き込むということは、風邪で寝込む母が食べたらもっと咳っ込む。そして死。

なんて恐ろしい物を作ってしまったのだ。まさにそれは毒キノコ。見た目はウマそうなのに、食べたら人を死まで陥れかねない恐怖の料理。俺流料理はついに、死という進んではいけない恐怖の域へと達してしまった。

この企画、もうそろそろ止めるべきなのだろうか。これ以上やれば確実に死者がでる。


「お待たせーー!」っていいながら味噌汁を運ぶ俺。もちろん味噌汁は普通だぞ。

けど俺に未知の料理を作らせるべきではない。そう悟った今日は。犠牲者を生んでまで料理をすることに絶対意義は無い。

のちに妹がそれを発見して「うわ〜!美味しそう♪」とかいってゴブゴブ飲み、ものすごい咳をして一瞬心臓が停止しかけた。そこでその卵酒が毒だったなんて言えない。毒だなんて言わせるわけにはいかねぇ。

もちろん俺も目の前でゴブゴブ飲む。「あー砂糖が少なかったかなー」とかめっちゃしらじらしいこと言いながらゴブゴブと致死量異常飲むんですよ俺は。これは大人の飲み物で、オメェみたいなガキが飲んだって味わからないんだよ!って言わんばかりに無理にゴブゴブと。

その一時間後、卵酒には「清酒」を使うことを知った。俺が使ってたのは料理酒。そりゃ毒も生まれるわけだ。


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