鰹節の心 in 小豆島

2004/04/12

突然だが俺は小豆島(しょうどしま)に行くことになったのですよ。

小豆島に行くと聞いて、「え?ヒロさん女とお泊りデートするの?」とか思った馬鹿は何人くらいいるだろうか?顔文字は使えないわHPはダサいわとそのモテなさぶりがインターネットから痛いくらいににじみ出ているここの俺、おそらく最低でも3日くらいこのHP見てる人なら一発でわかるな。ああ、こいつに限ってお泊りデートとか有り得ねぇと。

漫画喫茶のペアブース・遊園地の観覧車・駅のトイレなどなど、恋人たちが熱く熱く語らうような場とは全くもって無縁な俺。もちろん小豆島とかリゾートの名のつくような場所とかまず一生に一度行くかどうか根本的に疑われて仕方がない。そんな俺が小豆島。もしかしたらヒロさんは長年に渡るシングル生活についに限界が来て、観光に来ているカップルを蹴散らしに行ってしまったのではないかと気狂い疑惑がかけられてもおかしくないといった次第ですよ。

あのな、俺は多忙。常に仕事というビジネスを背中に背負って人生生きてるんですよ。

そんなもん色狂ってリゾートにおっぱい揉みにやってくるような本質見えまくりの馬鹿なカップルやら、セックスしたくてついついナンパ目的でやってきてしまったようなお猿様のような男方々と一緒にされては困るのですよ。男は男でも俺は仕事に生きる実にハードな男。プロのビジネスマンとしての空気を常に漂わせて、近くに来る人は俺の発するピリピリとした空気に後押しされて、俺がスケジュール帳を左手一つでペラリと開こうものなら、そのあまりにも殺伐とした空気に用件を言うのをためらってしまようなそんな男なんです。俺の働く後姿とか見たら、今までパソコンのモニター越しに「モテない男。冴えない男」などと指差して薄笑いしてた女どもも、次の瞬間骨抜きになること間違いなしだ。

けどもまぁ小豆島行きは正直不服。

「明日の18時に小豆島へ3日くらい行ってくれ」などと出港まで20時間を切っているというなんともまぁ非常識な時間に電話をかけてくるわ、しかもギリギリの電話の癖に「文句あるなら言ってみろ」と言わんばかりの偉そうな態度。プロのビジネスマンとか言っておきながら実は首の皮一枚ギリギリで生き延びている俺。突然の予定でも「全然OKですよ。大歓迎です!」などとテンションは上がるわ声色も異様に高まるわと完全に尻にひかれた情けない夫のような弱りよう。それを知ってか向こうも向こうでさらに偉そうになって、「たのむぞ。ガチャ」っとか俺がまだ最後の言葉を言い切ってもいないうちに電話きったりする、7秒もないような時間で電話切ったりするの。弱肉強食の世の鉄則にうまくハメこまれたといった具合。

無理やり仕事を押し付けられてもまぁ仕事は仕事。ビジネスマンだとかほざいた以上は仕事をやりきらねば男失格。今まで数々の過酷な仕事を乗り越えてきた俺。時にはカラオケの女子トイレに入っているものを素手でつかまされたりだとか、和式便器の中を素手で掃除させられたりだとか聞いただけでもその生暖かい気持ち悪さが伝わってしまうようなそんな仕事を今までなんどもやりきったのです。それと比べりゃリゾートなんて華がありますよ。夢がありますよ。

で、早速だが小豆島の場所を確認してみることにしたんです。




(yahoo!様ご提供)


何じゃこりゃ。

なんというか、こんなことを言うと小豆島の方々に大変失礼だが、なんともまぁ中途半端な島じゃありませんか。俺てっきり小豆島とかあまりにも聞かない名前だから沖縄とかそこらへんの奄美の海をイメージしてたよ。こんな時期でもバリバリ海にいけちゃうような大海の小島をイメージしてた。

リゾート?間違いなくそれではない。だってほら俺の住んでる場所と同じ緯度な訳ですやん。日本語が通じるとかそんなもん通り越して、関西弁が通用しそうなそんな島な訳ですやん。心の底から力いっぱい期待を裏切ってくれたこの島。一体どんな場所なのか全く予想がつかないまま、俺は関西を後にすることになったのです。


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一日目 (金)


とりあえず港に到着。

つい1時間前に指定された待ち合わせ場所に向かったのですが、待ち合わせの場所があまりにも曖昧で広すぎて、一体どの団体が小豆島行きグループなのか来てしょっぱな悩んだ。そんな中でも男3人と女3人のあつまるまさに「あいのりメンバー」と言わんばかりの集団を発見。俺と似たような空気をかもし出している男たち。それを見たとき俺は確信したのだった、コイツらに間違いねぇと。

まさにインターネットオフカイといわんばかりのノリ。うちのHPでオフカイなんてしたら、「すみません鰹節の心のオフカイですか?」などともし間違えたら大変恥ずかしいことになること間違いなしなのですが、「小豆島行きの団体ですか?」などと誰が聞いても納得いくような内容。誰に聞かれても恥ずかしくないので、そこはなんとかなった。

俺を含めて男4人女3人という若干女需要ぎみなグループが完成、でもって少しばかり殺伐としたあいのりのようなムード。みんな大掛かりなカバンやら旅行ケースを持っている。女性なんかにしたら己の身だしなみを整えるためのステキ用品がたくさん入ってたりなんかするのだろう。男なんかも服の代えをいっぱい用意したりだとか、ドラクエ5をするための最低限のグッツが入ってたりだとかするのだろう。だが俺といえば肩掛けカバン一つ。服の代えを最低限しか持ってきていない俺は、一人だけ軽いカバン。まるで俺一人不潔男なんじゃないかと言わんばかりに身だしなみに装備がいらない。軽いというのはそれはそれで嬉しいのだが、一人だけ場を間違えているようなそんな浮きよう。流石に恥ずかしいのなんの。

強いていうのなら、高校なんかで今日から冬服の日なのにもかかわらず一人間違えて夏服を着てきてしまったようなもの。それでもまぁ後に引くわけにも行かず、社用のチケットなんかを貰い高速船に乗り込む。で出港した瞬間、さっきの殺伐とした空気はどこへやら、みんなまるで修学旅行にでも行かんとばかりの和気藹々としたムード。女の子は女の子でオシャレのお話なんかを固まってしてたりなんかして、男は男で寝る人が出現したり性能の悪いモバイルカメラで必死に夜景を撮ろうとしたりだとか一人でプリッツ食べてる人が出現したりやらそれなりに忙しそうでした。ちなみに2番目の男は俺です。



(撮影:明石大橋)


しかしこの船というのが非常に暇なんですわ。テレビはほとんど砂嵐だわ自動販売機まで飲んだことの無いような魔法の飲み物ばかりの怒涛のラインナップだわ、船内でビールウーロン茶等販売を行っておりますとか10年以上も前の機械っぽい声が案内してるくせに実際行ってみたらもう数年は売ってなさそうな雰囲気かもし出してるし。暇つぶし感覚でトイレに行こうとすれば横の男軍が「トイレはやめとけ。あまりのゆれの大きさにウンコする時間よりも便器に顔うずめてる時間の方が長くなるぞ」などと思いっきりネタになりそうな事を言いながら決死の想いで止めにかかるの。俺とかトイレにいきたいとかそっちよりもまず、ネタになりたいという関西特有のボケ精神が働いて血が騒ぐわ冷や汗はでるわとそれはそれは楽しみでならない。しかしそれはもう必死で止めにかかっている彼らの顔を見ると、いくらネタになるとはいえ今日会ったばかりのこんな冴えない男の為に心配してくれる彼ら友情スピリッツを裏切ってはならないという底知れぬ罪悪感を感じたのですよ。ここは勇気を出してやめるべきだと。

そんな彼らの道徳で胸いっぱいお腹いっぱいになっているうちに船はさり気なく小豆島に到着。それにしても本当に長い長い船旅だった。俺も俺で初対面の男郡にこれ以上ネタを振るほど体力が残っていなかったので、待ちに待った小豆島だ。「ブォー」とか音ならして港に到着。あんなに明るかったのにいつのまにやら辺りは真っ暗。それでもって誰一人として港にはいないという物凄いレベルの歓迎。まぁ仕事で来た分に文句を言ってはならない。

タクシーに乗って職場に到着。「お世話になります」などなど社交辞令な挨拶を交わし、早速3日間俺が泊まる部屋へと案内される。

部屋は結構小奇麗に作られてた。ホテルの中で一番小さな部屋を貸切で使わせてくれた。そりゃあもう窓から見える景色は最高のモンで、



一瞬ここは監獄なんじゃないのかと疑ったのです。
テレビとビデオが見れて、ついでに本を読んでも怒られない監獄なんじゃないのかと本気で思ったのです。けどもまぁなんとかインターネット環境がギリギリ残っている俺の部屋と比べりゃ全然快適なんじゃねぇのとハングリーなスピリッツ丸出しでベットに寝ころがってみるのです。俺の部屋なんかよりもずっと全然リフレッシュできる環境だ。俺の部屋は監獄以下かと。

一度ミーティングがあるということで一同食堂に集合。勿論時間もだいぶ遅くなっていたので食堂が開いているはずも無い。そこでみんなが持参してきた弁当を広げる。俺とか普通に弁当買ってくるとか聞かされてなかったから晩飯抜きとか思って泣きそうになってた。けどもまぁそこが情のある優しいあいのりメンバー。みんなで今から近くのコンビ二に行こうやなどととても心温まる発言。みんな疲れているはずなのにそんなことを全く気にしてねぇと言わんばかりのスマイル。こいつら、本気でいいやつらばかりだ。

自転車を借りたが目の前にある自転車は4台。7人のうち3人は乗れない。「俺帰ろうか?」とかすげー気を利かせてる人とか続々出現。しかし「ええやん。アホみたいに2ケツ(俗に言う二人乗り)して行こうや」などとなかなか熱いことをいうやつ出現。まさに青春コメディーといわんばかりに全員2ケツで走るアホ集団。すげー面白いのなんの。何度も繰り返す坂道の数々。いつになっても見えないコンビニ。どこまで田舎やねんとツッコミどころ満載な看板の数々。それすらもモロともせず自転車集団は颯爽と夜の山道をかけぬける。

そういう訳で初日購入したものは、




お茶2つとコーラとトマトジュース。メロンパン2食。ハッピーターンとおにぎり2つくらい。あと雑誌。

正直島に来て一番心配したのはメロンパン。ここ数ヶ月もの間欠かさず食べてきたメロンパン。ヨーロッパの紳士が昼過ぎにティータイムを楽しむように、俺は俺で必死でメロンパンを食べる。こんなメロンパン中毒な俺が一日でもメロンパンを食べなかったら一体どうなるのだろうかと不安で不安で昨夜は寝れない。それがね、くるみが入ってたりだとかりんごが入ってたりだとかメロンパンとして最も邪道なラインナップばかりだがなんとかまぁ形だけメロンパン売ってたんですよ。泣きながら喜んだ。

監獄のような部屋。そこで俺はメロンパンと雑誌片手に眠りへとついたのでした。


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二日目(土)

朝目が覚めてふと窓の外を眺めた。







すげーいい眺め!昨日監獄の鉄冊子のようにみえたあの窓の景色が、朝の陽射しを浴びて美しく映っている。めちゃめちゃ優雅な朝、なんかあんなにも馬鹿にしてた自分が情けない。

窓を開けて音を確認すれば風の吹く気持ちよい音。においを嗅げばかすかに香る潮風の香り。なんと素晴らしい所だ。都会では感じることのできないものが全部そこにはあるんですよ。家だったら朝起きて窓を開けるとか間違いなくそんなことしないし、陽射しを浴びて優雅か気分に浸るなんてそんなこと想像すらつかない。一面に広がる海。どす黒い海ばかりを毎日見ていた俺にとって、綺麗なブルーをした海は本気で感動した。海の底が見え、さんご礁とか丸見え、魚まで見える、そんな海忘れてたかもしれない。

昼飯を食べているとき、隣のおじさんと若い人が話が話をしているところが自然に耳に入る。

「オマエどこにすんどる?」

「神戸です。」

「神戸っていったらあれか、吉野家あるんか?」

「ありますよー」

「いいなぁ。ワシ昔からここに住んどるけん、みながウマいウマいて言っとる吉野家の牛丼食ったこと無いからな。」

・・・なんだって!?吉野家の牛丼を食べたことがないと!?

そうか、そうだったのか。小豆島に吉野家はないのか。たしかに歩いても歩いても漫画喫茶はおろか、漫画屋すらもみつからない。どこかにネットつながるところないかなぁと心のどこかで期待はしてたけど、やっぱりみつからない。そんな小豆島に吉野家なんてあるはずが無い。最低限のコンビ二とスーパーがある。ただそれだけ。

けどもまぁ、俺がもし小豆島に住むことになったとしたら、ぶっちゃけ吉野家はいらない。なんというか、米が本当にうまい。味のことなんか全然わからない俺ですらも米がうまいと真剣に思える。漬物なんかでも最寄のスーパーなんかで売ってるものとは違ってなんかスゲー美味しいのドンブリ5杯くらいいけそう。多分この地域の風土がそうさせてくれるのだろうなと思った。本当にご飯が美味しい。

最初は小豆島と聞いてあんなにがっかりしてたのに、だんだんと小豆島好きになってきた。


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三日目(日)

よく食ってよく運動。この生活が普段とは違う俺にかえいてた。

移動するにも自転車が必需品なこの地域。だから少し移動するだけでもかなり運動になるんです。しかも飯がウマいからパクパク食べてしまう。自分でも信じられないくらいに健康的な生活を送ってるじゃないですか。

通常家に帰ってからの俺といえばまずパソコンの電源をつけることから始まる。ビールなんぞをごくごくと一気に半分くらい飲み干してから、ゆっくりインターネットを楽しんだりする。腹が減ったら適当に飯つくってやっぱりインターネット。飲みにいくなりカラオケに行くなり遊びに行くならまず外に出ている俺にとって、家ですることといえばインターネットしかないのですわ。テレビとかビデオとかそういった製品に触れることが全くない。

でな、だんだん夜が近づいてきて少しずつ眠たくなってきたりなんかするんですけどね、そのとき一度考えるのですよ。今日シャワー浴びようかな。明日何時起きようかな。オナニーしようかなー。と適当に考える。で、結論だるくなってシャワーも次の日の朝。目覚ましもそのまま。オナニーとかめんどくさくてしないまま終わってしまうというとてつもないぐーたらぶり。そんな毎日とは明らかに違っていた。

部屋に戻ればあるのはテレビと読み飽きた雑誌。もはや何もすることが無い。しかも無駄に運動しまくって疲れた俺の体はオナニーする暇もなく睡眠へ突入する。目が覚めたら9時間くらい寝てたりだとか今時の小学生もびっくりするような健康ぷり。

そんな感じでこの日の朝も目が覚めたんです。

この日が仕事最終日。俺も少しばかり気合を入れて仕事をし、残業はしたものの何とか仕事を終わらせることができたんです。

で、まぁ最終日ということもあって、現地にいた先輩が「オゴってやるからみんなついてこい」となんとも太っ腹なことを言い始めて一同居酒屋へ直行することになったんです。

しかしこれがまた大変なこと。居酒屋に行くまでに物凄い量の坂道と格闘。普段飲みにいこうなど軽く言ってた俺だったが、飲みに行くのにここまで努力を要するとなるとちょっと考え物である。どこまで進んでもなかなか居酒屋まで到着しない。やっと到着したころには喉カラカラ、多分今ビール飲んだらかなりウマいとおもう。

中に入ると凄い人の密集率。先輩曰く、半数以上が知っている人という物凄い居酒屋。ここ以外飲みに行く場所が無いのかと。

「すみません!」とオーダーを通そうかとすると、目の前のビール飲んでる客が突然「はいよ!何にする?」とかいきなりオーダーシート持って姿を現す。「ビール3つとウーロン茶4つお願いします」と恐縮しながら言うと、「じゃあビールはワシが入れるから、あんたはウーロン茶入れてくれ」と物凄い勢いで客を使わせる客。俺とか冷蔵庫からウーロン茶の瓶とりだすと、「兄ちゃん俺もウーロン茶」だとか何故か俺にオーダーを通し始める他の客。

で、食べ物なんかも頼もうと勝手にオーダーシートに書いて店長(マスター)に渡すと、「ワシこんなに作れんわー」と売る気全くゼロの反応。「まぁ適当に作るわ」だとか物凄く適当なことを言い出す始末。しかも「時間かかるけん、コンビニにでもいってくれ」だとかめちゃくちゃなことを言い出す。しかもその言葉に先輩うろたえる事もなく、「オマエ何か買って来い」とかまさにいつものことだぜと言わんばかりにほかの後輩に2000円を渡す。居酒屋でありながら客が店員をするまさにもちつもたれずな店なのだ。

客が一人帰ろうものなら、「ありがとうございましたー」と何故かほかの客まで一緒になって言い出す。トレーとか使って食器を綺麗に下げると、洗い場へ持っていってほかの客が飲み食いした食器を何故か俺が洗い始める。そうこうしていたらコンビ二に行った後輩が帰ってくる。中から出てきたのはカレーパンだとかメロンパンだとかおにぎりだとか何故か酒の肴になるようなものがほとんど出てこない。あまりのセンスの無さに飲んでいたメンバー一斉に引き気味だったが、俺はメロンパンとビールというコンビネーションは全然OKだったので一人黙々とメロンパンとビール飲んでました。

その姿を先輩が発見して「あんな訳のわからん彼氏作ったらしんどいでー」だとかメンバーで一番可愛いあの子に冗談交じりで言ってる姿を見て、冗談と知りつつも心の底から深く深く傷つく俺。「俺はただメロンパンを愛しているだけなのに!なんでダメなんですか!」と酔った勢いで思わずメロンパンについて熱く語りだす俺。こんなにアホみたいなな飲み会生まれて初めてだったかもしれない。


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四日目(月)

二日酔いはしない。ただ、昨日メロンパンについて熱く語っていた俺が今頃になって恥ずかしくてならない。

「メロンパンは二重構造になってましてですねー」とか「デイリー山崎のパンの生地はですねー」とかとどまる事無い勢いでメロンパンについて永遠と語り続けた俺。お、俺一体なにやってたんだ!?と一晩明け我に返ってやっと気がつくんですよね。本当にこのときばかりは自分の酒癖を恨んだ。

帰るギリギリになってから突然お土産が気になる。なんかさっきまでは「仕事で来たんだから土産なんかいらねぇだろ」とか思っていたが、家に帰ったときに肩身の狭さを想像すれば想像するほどに持って帰らないことへの恐怖心が高まる。「今年の誕生日5000円もらってへんのに」とか2ヶ月も前のことを持ち出す妹やら、「水道代払え」とたかが630円お土産を買ってきていないが故に恐怖の水道代二か月分を払わされるのかと思えば思うほど今買える物を買って帰らないととんでもないことになるという危機感を感じるのです。

まあとりあえず買っとくか、っと



讃岐うどん2つほど購入。

買ってから気がついたのですが、家族にプレゼントする分には全然大丈夫だと思うんですけど、これを会社やらにもっていくのはちょっとと思うわけですよ。讃岐うどんとか「小豆島に行ってきました。食べてください」とか書置きされても一番困るお土産じゃないですか。そんなもん洒落た茶菓子だったらみんながつまみにきたりとかしたりなんかしてですね、「美味しー」なんて展開もありうるんですが、うどん(生麺)とかまずどうやって食えと。お湯を作る段階からはじめろって事ですかと。

そういう訳で、讃岐うどん読者にプレゼントしようと思います。大マジです。(詳細は最後)

さてさて話は戻って、今日船に乗って帰ります。

なんだかんだ言っても楽しかった。みんないつでもニコニコしてる人たちばかりだったし、飯もウマいし空気もウマいし、景色だって最高だった。田舎島だろうって正直ナメてかかってたところもあったが、そんなことは全くない。立派なリゾート島だ。

・・・ありがとう。小豆島。

俺は3日間の思い出を頭の中で思い出していた。長い坂道、窓からの景色、ブルーの海。みんな本当にステキだった。そんなことを思い出し更けていると、近くに先輩が寄ってきた。

お別れの挨拶ってことか。そう思いながら俺は軽く礼をした。「お疲れ様です。またどこかで会いましょう」

船が到着して、乗り込み準備が完了した。さぁいよいよ出発。その時、先輩が俺に一言言った。


「何言っとん?」


「・・・はい?」


「またどこかで会いましょうって、オマエ来週もここ来るんやろ。」


「・・・!?」


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