卵かけご飯

2004/01/17

おなかが痛い。程良くおなかが痛い。

いやむしろこれは精神を破壊する勢いでおなかが痛い。なんだろうか、いまからおへそを持っていかれるんじゃねぇの?ってくらいにおなかが痛い。とてつもなく痛い。

いやはや、ただ腹が痛い腹が痛いといったところで、読者が理解してくれるのだろうか。いやはや、ここはいちテキストサイトのバリバリの現役の人間としてはですね、腹が痛い腹が痛いでは失格なのではないだろうか。いやはや。ここは今ひとつ、腹が痛いという想いをこらえて腹が痛いという俺の切な想いを書き綴ろうではないか。

まずどのように痛いかといいますとね、ちょうど腰の骨の裏が痛い。牛で例えるならちょうど背筋を通りロースを通過しておそらく次フィレ部分なんだろうなって思われるようなグルメにはたまらない肉の部分が非常に痛い。もはやその痛みはサーロイン辺りに届く勢いで痛いのである。

で、ですね。おそらくこの系統はうんこ系腹痛では無いと思われるのですよ。うん、間違いない。で、だからといって塗り薬推奨系の痛みとも少し違うなぁとおもうのです。ビップエレキバン使ってもあんまり届かんだろうなぁっといった痛み。おなかの角度を変えてみよう系なんですわ。

で、現に体の角度を変えながら、今はちょうどおなかを70度くらい曲げた状態でこうやって鰹節の心とかなんとかとかいうHPをなんか必死になって更新してる訳ですわ。55度未満危険といった症状なのでですね、毛布に包まりながら最低60度以上おなかを曲げた状態で、毛布に包まりながら、北極で死を待つ登山員のような希望の光も見当たらない体制でHP更新してるの。もうね、多分こんなすがた読者には見せられないね。こんなカッコでHP書いてる管理人のたわ言日記なんてもうすでに読みたくないって気分になれるね。なんていうか、俺なら間違いなく読まない。

このままでは若干危険だと思ったのですわ。だっていつまでたっても子供は風の子やってる俺がですね、血塗られたように風邪をひいたのですやん。もうね、珍しいとかそういった領域じゃないね。俺以外全員風邪の職場でも定食おかわり3杯くらいやっちゃうような元気な子のヒロさん見た目は成人中身は子供なげん気な子のヒロさんがですよ。風邪。風邪です風邪。ありえんですね。

原因はおそらく、シャワー浴びた後ガスファンヒーターの前でアイスクリーム食べてそのまま裸のまま3時間寝たのが原因だと思われるのですよはい。もう当然といわんばかりに理由も子供に負けないようなくだらないことなんですわ。そんなもん夜風にさらされた程度で風邪ひくレベルの俺じゃねえよ。

今から仕事だっていうのに物凄い激痛。死ぬ。死にそう。こんな状態で仕事するくらいならむしろ死なせてくれ。

よしきた。ここは野生児の意地です。俺もだてに男をやっていない。言っときますが俺は薬なんていう世紀末の文明のうぬぼれた粉なんぞに頼りませんよ。今までもそう、栄養のある食事と、睡眠と、ゲーム。風邪の時はこれに限る。学生時代はこの3つで風を直し続けたのだ。今更この信念、まげてたまるか。

っとまぁ気合は入れてみたものの、今から仕事な訳ですよ。睡眠とゲームが不可能じゃないですか。どうがんばっても風邪で学校(会社)休んだ時定番のファイナルファンタジーができないじゃないですか。がっかりじゃないですか。

で、ここは栄養だけでもつけないと思ったのですよ。でもね、頭がグラングラン。そんな状態じゃ卵かけごはんすらも作るのがめんどくさいの。そもそも米を研ぐっていうその行為自体がめんどくさいの。むしろ米を買いに行くって行為がめんどくさいのなんの。もはやめんどくさいめんどくさいという普段のめんどくさいが積み重なって余計に卵ご飯一杯に労働力つかわなきゃいけないのなんの。で、風邪ひいてるから余計にムリ。

弱った。こいつは弱った。冷蔵庫開けても漬物一つ出てこない。ビールならよく冷えてますが、残りはなんか触るとやわらかいキャベツとかジャガイモ。賞味期限が25日過ぎたヨーグルト(開封済)。

お、ヨーグルト?もしかしたらヨーグルト食えるんじゃねえの?っとかチーズか何かと勘違いした俺は、パッケージを一ヶ月ぶりに開けてみたとさ。するとすると紫色に覆われた表面。どこみても紫。掘り返しても紫。

ええっとですね、俺は今までこのHPのためにどれだけ痛いことをやってのけたことか。少々危険なものでも、まぁ食してみようと。本当に危険な気がしても、まぁそれはそれでネタになるかって自分をごまかしてなんとか食って、で、なんとかやりすごせた訳ですよ。でもね、今回の作品は出来あがってたみたい。もう食べたら残り5年くらいは障害残りそうな食い物なのよ。妖気を感じるのですよ。

何も見なかったふりをしてとりあえず着替える。もうねここまできたら残されたところあそこしかない。従業員食堂

でね、ここからがもう一番必死だった。だってアレじゃん。俺自転車通勤だし。


俺の財布には120円。もうね、心に決めてたのですよ。俺はもう今日は卵かけご飯しか口にしないと。何を言われようと卵かけご飯しか俺は食わない。そんなもん周りではタルタルソースが沢山のったエビフライ定食やら、福神いっぱい乗っけて真っ赤に染まったカリー&ライスとかおいしそうなおいしそうな食べ物食べてても俺は知らない。俺は一人モリモリとですね、卵かけご飯を食べてやろうと思ったのですよ。そんなもん従業員食堂まで来てわざわざ卵かけご飯なんて食う人恐らく俺くらい。けどですね、俺は恥など持ってはおらぬ。これは自分に課せられた試練であり、使命なのだ。

いっとくが卵かけごはんは熱い。

卵かけという卵をご飯にかけただけというシンプルかつリーズナブルなこのフードにどれだけ熱い魂が降り注がれているだろうか。黄金色に輝く飯の粒。最後くらいにそこに残る卵の汁。しょうゆのほのかな香り。この一つ一つに素敵な魅力が隠れている。

けどそれ以上にですね、俺と卵かけご飯には愛があるのですよ。

その昔。俺が幼稚園だったころなんですが、それはもうそれはもう卵かけご飯が大好きだった。毎朝卵かけご飯を食べて幼稚園のバスに乗っていた。

そんなもん当時と言ったらバブルの全盛期。親父もその当時は事業が大成功して年収うんぜんまん。家だって高級住宅。家には沢山転がってるゴルフのクラブ。ピアノ。金のありまくる環境で育まれていた俺がですね、何故か朝ごはんは卵かけごはん。もう来れ以上の食い物ねぇよって位に思ってた。夜のちび丸子ちゃんが始まるまでには家に帰って、どろどろに汚れた手を洗っていきなり夕方から卵かけごはん。

そんなある日、俺がいつものようにもぐもぐと卵ご飯を食べて、いつものようにバス乗り場前で周りのお母さん方々と一緒にバス待機してたらですね、腹に凄い激痛が走った訳ですわ。

イタイイタイ。もうとてつもなくおなかが痛い。これはもう死ぬんじゃないかってくらい痛い。それがまた幼稚園の体だからなお痛い。

例えればですね、牛で言うと背筋あたり通過してフィレからロース辺りが痛い。もうね、貫通してサーロインまでとどくんじゃねぇの?ってくらいに痛いのですよ。こんなに痛い激痛初めてですよ。生まれて初めて。

で、あまりにも痛かった俺はデスね、その場で座り込んでしまった。幼い俺でもなんとなく察したのですよ。この痛さは、まずうんこ系ではないなと。っト同時に、ぬり薬推奨系でもない。恐らくはおなかを曲げてみよう系だなっと。

そのまま母親に抱え込まれて家にかえったとさ。で、布団なんかをひいてくれて。俺はそこで赤ちゃんポーズで寝てたんですよ。

おなかが痛い。けど、折角幼稚園を休むことが出来たんだ。せめてファミコンのマリオブラザーズ3位はやりたいと思ったんですよ。けどね、母がマメに俺の様子を見に来るんですよね。だからそんなもんゲームをするどころか、ファミコン本体を出すことすらできない。

だからと言って寝付くこともできない。幼稚園児らしく良い子な俺は11時間くらい毎日余裕で寝てた。だからとてもじゃないが今から寝ようったってムリ。どう考えても無理。だからせめてご飯くらいは食べてお母さんに元気な姿見せてやろうじゃありませんか。

お腹が大きい波を超えて少しは楽になった頃、卵かけご飯を食べさせてくれと母にお願いする俺。バカだ。本格的にバカだ。もう一生かかっても直らないバカですな。あきらかに卵かけご飯でお腹壊してるのにですね、まだ卵かけご飯食べたいとか言ってるんですよ。卵であたってるのに再び卵と。こんなことするバカいねーんじゃねぇのかと。

けどですね、そんなもん卵かけご飯なんてとてもじゃないけどオススメできない母。それに卵かけごはん自体つくるのがめんどくさい。なんたってご飯炊くのがまずめんどくさい。昼前にどうせ米が届くのわかってるのに、今からスーパーに米買いに行くその行為がめんどくさい。弁当作ったぶんで丁度終わってしまったご飯。自分は昼ごはんパンで済まそうと思ってたところで息子のこれですよ。母もこまったもんで。

けどまぁ、その後すぐ激痛が走ったのですよ。直下型のでっかいのがズキっと。で、トイレに引きこもり始めたのですよ。だから卵かけご飯どころじゃない。

永遠に上からも下からも出続ける卵かけご飯。水のうんこ。苦しむ幼稚園児。それでも俺は心の中に思い続けた。卵賭けごはん。卵かけご飯。。。。

そんな強い愛で結ばれた俺と卵かけご飯。それを15年以上経った今でも追い求めてるんですよ。あのつやつやとしたご飯の輝き。

腹の激痛もなんとか和らぎ、職場までラストスパートをかける俺、卵ご飯が食べたいその一心でいつもより2時間早く出勤しているのでした。

その時。俺腹に激痛が走ったのですよ。直下型のでっかいのがズキっと。で、近くのコンビ二のトイレに冷や汗かいて引きこもり始めたんですよ。だからだんだん卵かけご飯どころじゃなくなってきた。

永遠に上からも下からもで続ける朝食った半熟玉子焼き。水のうんこ。苦しむ18歳男性。それでも俺は心の中で思い続けた。卵賭けご飯。卵かけご飯。。。。

そんな戦いも終わり、今こうやってパソコンのモニターに向かってテキストなんぞを書いてみた訳なのだが、これ書いてて一つだけわかったことが。

15年前から変わらず卵かけを愛してると同時に、15年前からバカも直ってない。

いつになっても変われない自分に涙する一日でした。

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