ラブソングはエロスの様に

2003/04/01

俺的にはウザかった。

はっきりいってね、世のなかってほらアレじゃんか。時は金なりっていうじゃありませんか。フリーターをやっててシフト制人生まっしぐらな俺っていうのはですね、少しでも働いて時間をお金に変えて行きたいんですよ。

言っとくが3月はミスドだけでも17万稼いでる俺ですよ。そんな俺が今日はカラオケに連れて行かれるんです。カラオケに行くんじゃありませんよ、カラオケに行かされるんです。遊びにうつつぬかしてる暇なんかありやしねぇのに「ヒロは強制参加デス」とかいうわけのわからんメールが入って強制カラオケ決定ですよ。ほんとありえない。

でもまぁちょっとくらいシフト制人生を外して楽しんでもいいかなぁとかちょっと野心が生まれたんです。月22万弱は稼いでるんですから、ちょっとくらい遊びのお金に使っても神様は罰なんか下さないだろう。

ってことで家をスタート。もちろん愛車「マグナム4号(自転車)」に乗って夜の街へ。

さてさてた久しぶりの友達。去年の日記なんかにはボチボチ出てきてたミュージシャンやってる先輩が、久しぶりに東京から帰ってきたというので歓迎会の一つでもひらこうといった次第なのです。

だからやっぱかっこつけて会計の時に1万円の一つくらいヒラリと置いてやりたいんですよ。今の俺は前の俺じゃねぇぜ。月23万弱のばりばりの高金野郎なんだぜと。

しかし俺のサイフに入ってるのはホコリだけ。所持金1000円を切ってる。

何故だろうか。一体何故だろうか。先月少ないとはいえ13万入ったはずだ。なのに何故俺のサイフはホコリしか入ってないのだろうか。

悩みはじめたらきりがない。よし、ここは一つ整頓してみよう。

まず最初の5000円。これは毎日頑張ってると思われる俺にプレゼントで買ったカバン代。今まで使ってたのがあまりにも小さくて新しく働く一流ホテルのバイトの制服が美しく収納できなかったので、少し大きくてちょっといいものをチョイスした。全然無駄ではないはず。

でもって次に10000円。これはホテルのアルバイトが決定した時に購入した革靴代。これも買わざるえなかった。誰も俺を責めることなどできないはず。できるだけ安いものをチョイスしたはずだ。

10000。これは食費。バイトとバイトの間で飯を食う暇がないときなんかにコンビニなんかで購入したりしたお金。できるだけ節約したつもりだぞ。絶対無駄に使ってなんかいないはず。いやマジで。

10000。これはカッターシャツを大量購入したお金。ユニクロのくせに明らかに高い料金設定にプチンときかけたが、買わざるえなかったのだ。これも使って仕方ないお金のはず。

10000。定期代。俺は自転車通勤なのだが、これをコピーして提出すれば次回から定期代が出るといわれたので泣く泣く購入。ほとんど使わないので妹に兄のホワイトデープレゼントにした。ウム。俺ってなんていい兄貴だろうか。そういえばバレンタインデーは貰っていない気がするぞ。

10000。ネット接続料金だった気がする。いちおうこうやってHP作ってるから家のPCは常に使えるようにしておかねばならないのでありますよ。忙しい時はネットカフェを利用した。

5000円。これは携帯代。

家への出費。30000円。まぁ一応困ってるわけで家にお金を入れておかねばいけないわけです。

妹倒れて。10000円。保険屋にお金払ったせいで病院にいけないというとんでもない事態となった。おいおい、病院に行くための保険なのに、逆に病院にいけなくなるとはどういうことだ。日本腐ってるよ。アメリカの大統領よ、先に潰すのは日本だろって言ってみたくなる次第ですよ。ほんとありえなかった。

おい待て。10万この時点で超えるじゃねぇか!今年の夏にはアメリカに行くぞと野望を燃やして貯金しまくってる俺が月に3万の貯金だぞ。一体どういうつもりなんだ俺。

この状態で一万円ヒラリとかかっこつけろと?ありえないね。どうやったらそんな訳のわからない行動に出れるんだ。

でもこのまま一銭も持たないでカラオケに?ウーム。出るのだったらやっぱり余分に一万は持っていかないといけないな。なんだ、やっぱり一万必要じゃねぇか。給料日まで後10日もあるんだぞ。畜生。

泣く泣く三井住友銀行にカーブさせる。「おとりあつかいできません」仕方ないので他のampmなんかに走って口座開く。「おとりあつかいできません」おい!どこもお金下ろせないのかよ!マジで俺銭なしでカラオケに向かうのか!!

なす術もなく所持金150円。とりあえず近くのコンビニで「キシリトールガム」を購入。残り30円。一体どこで歌えというのだろうか。

銭なしで待ち合わせ場所に到着。するとそこは女の溜まり場になっていた。アレだぞ、俺今からこの女だらけの群れの中で「お金が無い」って言うのだぞ。マジ人生辞めたくなるね。

しかしまぁ到着してまったのだ。「ヒロお久しぶり〜♪」とか言ってるわけだ。だから今更後に引けないわけで、銀行で下ろせなかったぜなんて口が裂けてもいえないわけで。

「おう!元気してたか!」爽やかに返事を返す。しかし心は地獄。お金どうしようお金どうしようとハラハラドキドキしてるんです。夏休みの最終日に宿題あるけどゲームやってるときのあの心境ですよ、俺と同種のダメ人間ならしょっちゅう味わってるであろうあのスリリングな緊張感なのであります。

ミュージシャンの先輩の素晴らしい路上ライブ。でもって相変わらず一日2万〜5万というありえない高収入を見届けると、さて今から歓迎会。門限の無い野郎たちのなんともいえないパーティーの始まり始まり。

お金が無いのを知ってか知らないのか、なんかすげー高くなりそうな高貴そうな居酒屋をチョイスする一行。おいおい俺は一体どうなるんだ。お金ないなんて一言もいえない。

席につくと俺は気がついた。男3人に対して女は6人。しかも女は全員高1高2という高性ターゲット女ばかり。ヨダレがでる一品ばかりなのです。

そんな女の前で、「ぼくちんお金ないのです。」とか死んでも言えない。死んでも言えないとかいいながらいつか迫ってくる恐怖。そんなこと考えたらお酒なんか呑めない。

しかしみんなにすすめられて生ビールとかチョイスさせられてるの。明日は朝7時からバイトだっていうのにアルコールタップリのリキュールカクテルとかモリモリ頼んでくるの。

一応俺もカラオケでアルバイトしてる男ですからね、カクテルはたしなみ程度に知ってるんですよ。だからオススメのカクテルとか変わりにチョイスしてあげたりするんです。もちろんオススメだけで、自らオーダーするのを避けてみたりする。

一人端っこで恐怖のテンションに陥って一人みんなにむりやりチョイスされたカクテルとかすすってる。もうね、こんな姿俺を生んでくれた母にだけは絶対見せたくない。

しかしまぁこんな俺が女の子には非情にクールな男性に見えるらしく、色々詰め寄ってくる。決して俺って男前じゃありませんよ、着てる服だって常時カッターシャツにボロボロGパン。でもって髪型も真っ黒で刈り上げとかやらされてるし。だから絶対に誰にも相手にされないような非モテ野郎一直線なはず。

しかしこういうときに限って声かけてきやがる。本当に神様って畜生の塊だと思ったよこのときばかりは。

会計の時、テンション上がりまくった男の一人が頭上に掲げた給料袋。

そのとき俺は彼が天使に見えた。全裸で金髪で毛の生えてないチンチンとかそういった理解不可解な物体とかは見えなかったが、たしかに俺はそこに天使を見た。俺は救われたのだ。「僕ちんお金ない」とか言わなくてすむわけで、俺のどうしようもないテンションの理由もなくなるわけだ。本当に助かった。

20000円をさらっと出す彼。でもって会計を済ませて一同は外に出た。できればこのまま帰っていただきたい次第なのだが、この盛り上がり方といいテンションといいこれは確実にカラオケ決定だ。きっと街行く人々も俺たちを見て「お、これはカラオケに決定だな」っとか思うに違いない。誰だってそう思うくらいのテンションだ。

そのテンションを素早く読み取ったカラオケの勧誘の兄ちゃん。詰め寄って「カラオケいかがっスかぁ〜」っとか言ってくる。「もういいって邪魔だって」とか俺が心から切望してるのも知ってか知らぬのか「一時間だけでもお願い」とかわけのわからないことを言ってくる。

みんな「イイネー♪」とか昔の無人君のCMみたいなグットなタイミングで息ピッタリ声ピッタリでガッツポーズみせるやつもいれば満面の笑みでスマイルを投げかける人もいる。みんな死ねばいいと思う。

男として、一人の人間として「じゃあおれは明日があるんで」とか言えない。けっして口がさけてもそんなこと言えない。

さらにクールに変わりつつある俺のテンション。割と隅の方で一人ガムとかかみながらどうしようどうしようとか思ってるんですよ一人で。

お店に入る。身分を証明できる野郎が一人もいないことに気がつく。俺だってフリーター。ミュージシャンの先輩だってもちろん住所不定無職。おいおい免許の一つくらいとっておけよと言わんばかりのメンツばっか。

しかし店員をなんとかゴマかして中に侵入成功。ほんと法律の穴ってでかいね。こういうときに日本の法律が恨めしくなった。俺が困ってる時に助けてくれてもいいだろう日本よ。ここに16才と17才女性がカラオケに入ってますよ。誰か止めてくださいよ。

カラオケにはいるとさっきのテンション高い兄ちゃんが一言。「ここは俺がオゴる!」

いいよ兄ちゃん。本当にアンタいい。天使なんかじゃない。あんたは神だ。

そう思うとおれも一気に力が抜けた。いつものようにカラオケでウーロンティを頼み席の隅でテレビのモニターを眺める。

俺はカラオケではウーロンティ、それ以外は邪道だと心に誓って生きてるんです。このこだわりだけは消せない。もはや5年も積み重ねた長い長い年月あっての硬いこだわりなのだ。誰にも汚させない。

基本的にこんなバカみたいな性格やってるんですけど、こういった場所ではわりと静かにしておくんです。歌ってみろって言われたら歌ってみるタイプで基本的にはモニター眺める主義なのです。

隅でヒソヒソとモニターを眺めながらウーロンティをすすってると、やはりあのテンションの高い女子高生6人が俺にふっかけてくる。歌えってしつこく。

一人だけダサムードただよい誰にも相手にされないようなタイプやってた俺。みんなで酔ってたかって俺を燻る。オメェのヘタな美声を聞いてみんなでススリ笑ってやるよといわんばかりのみんなのいびり。

満身創痍の笑みを浮かべながら俺は渡されたブックを開く。一体何を歌おうか?うむ、ここはとりあえずいつものやつ歌っておこう。

4ヶ月ぶりのカラオケ。番号を入れてスイッチを押した。

BGMが流れる。いつものラブソング。

しかし俺は緊張していなかった。何故かって言うとここまで満身創痍にされてもはや精神的にズタズタな訳。他のかっこいい男2人が6人の女相手にしてハーレム楽しんでいて俺とか全然目に入っていない。何したって別にどうにもならんだろう。

俺にはちょっとしたジンクスがあった。

いきなり過去の話を語り出すが、女とカラオケっていうのに俺はいい思い出は無い。ちょうど2年前だっただろうか、初めて俺は合コンに参加したあの日のことだった。

4対4の合コン。至って普通に飯を食い至って普通にカラオケにインした。至って普通な合コンなのだが、たった一つだけ大きく違うところがあった。そう・・・・・テンションがありえないくらいに低かった。

どこまでもどん底に近いテンション、誰もが帰りたいと思っていたに違いない。そんな時先輩が俺に声をかけてきた。「オメェ司会やって盛り上げろ。」

いやむしろ先輩は言葉よりも目で訴えかけていた。殺気に満ち溢れた目で。そんなもん当時16才童貞な俺が女性との合コンで女慣れもない癖に司会なんかやったら想像つくにきまってます。きまってるからこそ先輩は実行させたのでしょう。

「はぁあいちょっとストップ。いきなりだけど自己紹介!!」

シラーとする空間。テンションがまた121ほど減った。減りまくった。どこまでも減りまくった。痛恨の減り具合だ。

これ以上テンションは減らないくらいまで減った。例えるならHPが1なのにもかかわらず毒の沼地を歩くドラクエ5以降の主人公のような状態。これ以上減ることは無いのに減るんです。

そしてしばらく2〜3曲くらい歌が始まると、先輩は実行に移った。人間としてやってはいけない行為に。

先輩はたくみに女に迫りより会話を始めました。そう・・・俺いびりです。

「ヒロってキモいヤツやろ。マジで最悪やし。なんでこんなバカ連れてきたんやろう」とか白々しくそんな話をカラオケの音でもみ消しながら話す。人をコケにする時ほど息が統合することは無い。ニヤニヤ笑いながら時に指さしながら笑う先輩と女。

俺をネタにして話題を作ってるのです。これはたしかに合コンでは定番ですが、まさかこんな形で屈辱を与えられるなんて思いもしなかった。目の前で俺をコケにしてるのが見えているんです。

家に帰りたい。だが先輩は俺を帰してくれないだろう。女が欲しい?そんなことなどどうでもいい。とりあえず女とカラオケというこの状況を逃げ出したい。

それから何時間時間がたっただろうか。カラオケの椅子もいつの間にか隔離されて俺は完全に仲間によっていなかった。

先輩は勿論携帯番号交換やら色々やって楽しそうだったが、俺は全く面白くない。むしろプライドもズタズタで生きてるのが辛いノリだ。ほんとうにこんなバカな野郎の後輩になってしまってバカだったと改めて知った。

そんなジンクスを抱える俺。あの時は全く歌わなかった俺。女とカラオケをしている時は全く歌わないと勝手に俺の中で変な法則まで芽生えていた。

歌えばきっと彼女らも俺を見てススリ笑うに違いない。腹笑いではなく薄っすらと笑ってくれるに違いない。

マイクを自信なさなげに握った。

もうこうなったらやけくそだ。死ぬ気でラブソングしてやるよ。

俺は思いっきり感情込めて歌った。・・・すると

歌い終わった後の彼女らは驚きで満ち溢れていた。「スゴイ・・・」とか何がすごいのかよくわからないがその目は確実に惚れの方向だった。

え?ちょっと待て。俺ってそんなに歌上手くないぞ。きっとアレなんだろう、魅惑のカクテルの効果で俺みたいなダサな男からちょっとは普通の声が出てきたので微妙なギャップがそう見せたのだ。幻惑だ。

実はカラオケにはもう一つジンクスがある。

俺は中学三年の最後。友達と猛烈な勢いでカラオケにハマっていた。ハマりまくりのハメハメであった。友達と休みが来るつどなけなしの小遣いはたいて、昼マラソンのギリギリ開始時間11時に入ってギリギリ終了時間の19時に出た。そのさい一度も飯など食っていない。

カラオケではウーロンティと心に誓ったのはこのときだろうか。コーラなどの炭酸は時間と共にダメになってゆくが、ウーロンティだけはいつでもその質を維持することができる。そうサバイバルな中学カラオケの中で見出していったのだ。

ウーロンティをチビチビとのみながら喉をカラカラにしないように気をつける。そうしないと喉が痛んで最後の方になると声が出なくなるのだ。金を払ってるわけだから、ギリギリまで歌いきらないといけないのです。

カラオケには楽しみなどなかった、むしろそれは荒行に等しかった。

歌詞を間違えばマイクで拳骨。音程をはずせばマイクで拳骨といった具合で、完璧なものだけが歌うことを許される本場のサバイバルカラオケ。つねにスリルと戦い続けねばならないのだ。

もちろんほとんど歌詞を覚えておりそこそこに名のしれたソングをチョイスしないと減点になる。だから俺は受験など忘れて毎日歌詞を覚えてたりしていた。当時ではラルクやらグレイやらいろんなのに魅せられて音楽尽くしだったんです。

最新曲は常にキープしつづけた。毎週のオリコンチャートを言える位にまでマニアの域に達していた。ポルノグラフィティーなんかもオリコンチャート80位ぴったしだった時代からちゃんとピックアップしていた。

恐ろしいそのマニアップリ。ラルクで知らない曲は無い。Bzで知らない曲は無い。そんな俺でも彼らはライバル。張り合いまくりだった。カラオケはもはや楽しみでなく、己の今の地位を知る術である。

そんな恐怖の毎日をくくりぬけた経験のある俺。それが実ってかどうかは知らないが異様に今回のカラオケでは俺のウケがいい。目の前にミュージシャンのプロやってる先輩がいるにもかかわらず俺のウケまでいいんです。お酒ってスゴイね。

俺の歌い方ってのは少し変わっている。中学時代から変態極まりない生活を送っていたのもあってか、ちょっとばかり、いやかなりエロく歌う癖がある。すげーエロの漂う歌い方をする。

そのエロスに酔いしれる女たち。いいのだろうか。段々罪悪感を感じてきたぞ。

俺って言う生き物は常に非モテであって世の中が今まで平和でいられたのです。俺みたいな人間がモテを手にすると今頃世の不男たちはモテになって世の中モテ男の天国になってしまう。

しかし俺のような非モテな男がいることによって世の中モテと非モテの割合がちょうどいい具合に保たれるので、俺はモテであってはいけない。常に非モテでいなくてはならない。

焦った俺。ここで俺は浜崎のあゆとかいう人が歌ってる「M(マリア)」とかいう曲をチョイスしてみた。男がマリアァ愛すべきぃ〜♪とか歌うわけですよ。誰が想像したってただの変態にしか感じないに違いない。

じょじょに俺の生まれ持って存在する微Mな本能が騒ぐ。これを歌って「キモい」だかわかんねぇが変な反応を見せる女どものチンケな姿を一応拝んでおきたい。これでもし感動したら俺は完璧歌手になれるだろう。

スイッチを押す。

曲が流れ始める。

曲が突然止まる。

だ、誰だ!一体誰が止めたというのだ!

そりゃあね、お茶が無いって言ったら「ヒロくんこれ飲んでよ!」とか明らかに口つけたお茶を俺の前に差し出して俺が飲めずにいて困惑してしまうようなウハウハなイベントやら、「ヒロくんにコレ歌って欲しいなぁ」とかマジでホットなトークを投げかけてくる。人生でモテが生じるのは今が最初で最後になるのは確実に目に見えているだろう。

カラオケが偶然上手く聞こえたのも、お酒の効力と、最近のバイト生活でちょっとだけ培われた体力とかそんな類が引き起こした奇跡だろう。だっていままで上手いなんていわれたこと無い。

だからこそここできっちり非モテに戻そうというのだ。そんな嘘の塊で俺を判断されたくねぇ。俺は言っとくがマジだぞ。

スイッチを押す

曲が流れ始める。

曲が突然止まる

ぐ、グハァ!見事に素晴らしいタイミングに止まる音楽。と同時に今回は期待に沿える素晴らしい返事が返ってきた。


「だからキモいって。」


うむ。やはり俺は非モテが似合う。

こういう状態でも詰め寄ってくる女性がもしいるなら、俺はためらうことなくOKしているだろう。表だけ見て判断するような女はイケナイ女でありますよ全くもって。

カラオケは盛り上がっている絶頂で終わった。終わったというか俺が途中で帰った。バイトの時間迫って再び夢から現実に引き戻されるのだ。悲しいけど再び現実に戻る。

やっぱ盛り上がってる途中に退場とかありえない。きっとアレだって、テンション高いところをスマートに抜ける男こそかっこいいんだと思う。って言い訳してもけっこう虚しいな。最後まで入れない時点で相当なさけない男やってます。どこまでもダサなのであります。

こうして俺の夜は終わった。


俺は夕方4時あたりに眠り夜は10時に起きる。そして準備をして深夜のバイトに11時に入る。でもって次の日朝そのまま5時か6時にミスドのバイトに入って昼は2時3時に終わる。こんな俺が恋愛とかありえないんですよ。

たとえどちらかが休みだったとしても絶対に普通の人間なら寝るとか学校行ってるとかそういう時間。それに気持ち的にも恋愛できないし。

俺と恋愛する女は絶対に不幸になる。恋愛を全く無視して合コン類をすると本当に楽しい。何やっても別にかまわないわけで、世間体気にせず気が楽に送れる。

そう悟った今夜でありました。

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