無垢なセクハラ
2003/02/26
トンネルを抜ければそこはソープ街だった。
右を見ればオメェはヒョウか、それともチーターなのか?って言わんばかりの豪勢な毛皮着た風俗の女王がいて、左を見れば女子校生ナマっ子倶楽部って名前見ただけでも6回はヌケそうな面白おかしい看板がいっぱい並んでる。
チンポとかビンビンにしてハァハァ言ってる油のったおっさんがニタニタしながら怪しいお兄ちゃんと一緒にピンクのドアーの中に入ってくんです。異様な光景だった。そこはまさにこの街の裏とも呼ばれる場所だった。
そんな裏の街道をヒロさんは愛車「マグナム4号(自転車)」にまたがって我が道顔で走る。
「妄想プレイ」っとか「ファッションヘルス」って色々なカラーで彩られたフランク極まりない街並をビュンビュン走る。人の間を通り過ぎるつど「チッ」って舌打ちする音とか聞こえるんですよ。ほんとに怖かった。
マジビビリしながら街を走って角を曲がると、真っ赤なスカートきたあきらかに18才くらいだろオメェって言わんばかりの女性が、タキシード仮面みたいな変に薔薇とか似合ってそうな変なオジサンの相手をしてたんですよ。
ちび丸子ちゃんとかがはいてそうなあの赤いスカート。ロリータを意識するにもちょっと度が行き過ぎてる赤。赤というより紅っといったとこだろうか。
AVなんかにもよく出てくるインチキ臭い制服みたいな。変に新しくてピカピカな制服。そうまさにそれなんですよ彼女が着てたのは。真っ赤でちょっと長めにとってあるそのスカート。
あんなのはいて街に出たらみんなの笑いのネタのはず。しかしそこは風俗街、こんな服装普通なんでしょうね。さっきからロウソクが似合う女王様みたいな人いっぱいみてるし、これくらいのことでは全然驚けない。っていうか街の空気に見事マッチしてるんですよその赤いスカートがまた。
タキシードに蝶ネクタイつけてる変態オヤジ。薔薇とか持ってそうなセーラームーン大好きタキシード仮面を意識したような変態そのもののオヤジ。やはりその赤いスカートの女を口説いてるのだろうか。
近くに近寄っただけでチョコボール向井の喘ぎ声とかリズミカルに聞こえそうな歩くセクハラ、ハゲ変態タキシードうんこオヤジ。褒めるところなんてどこにも残されていない救いようの無いかわいそうなオヤジ。まぁここは風俗街のせいか全然マッチしてる。
俺も通学用自転車で風俗街走ってるバカなわけですからね。このオッサンといい線行ってるんじゃないかってくらい俺もバカ丸出しだからこれ以上そそうにツッコミ入れれないんですけどね、そのオヤジ次の瞬間すごい行動にでやがった。
スカートペラァ〜ン!
あわわわわ。タキシード仮面!それはやりすぎですよ。俺今もろにパンチィを見たじゃないですか。ロリータ意識してるんかわかんねぇけどワカメちゃんみたいな真っ白のモコモコパンチィを。見ちゃったよ見ちゃったよ。
しかしまたスカートの女のリアクションといったらまた、「あーん♪もう」とかとてもセクシャルな声を上げる。発情したような声、赤いスカートそしてワカメちゃんのかぼちゃパンツ、そしてスカートパランで「あーん♪もう」。なんだろうか、ここまでやってもこの街にベストマッチしているこの雰囲気が怖い。
スカートペラン。
女性専用車両とか上司のセクハラやら女性には不憫な世の中となってしまった今の社会、スカートペランという響きはすっかり世から薄れつつある。死語になりかけているのだろうか。
初めて聞いたのは小学校一年生の時。スカートペランなんていう破廉恥極まりない発音に俺は一瞬自分を忘れたね。なんだこの今までに味わったことの無いピンクな気持ちはと。
純情なアニメやら少女漫画、マガジンの成瀬川やらがでる漫画では定番のあの一連の華。もう必要以上に今のマンガはスカートペランをやってのけるね。これくらいやって当然といわんばかりに普通に女の子のパンツを書きまくってる。
昔ここまで書くような漫画はあっただろうか。スカートを簡単にめくられるヒロインなんてそそうにいなかった。いやそういったシーンはたしかにあったが、今のようにギャグの一環としてスカートペロリなんてことはしなかった。
今のマンガでは「ごらぁーー!見たなぁぁーー」ってスカートペロリで怒りを露わにしてるが、昔の漫画ではスカートペロリなんていう破廉恥極まりないイベントが発生しようものなら「あら、やだ。ああん、もうH(涙)」とか言いながら赤面。もう顔をあわせられないとかいい始める。
そうなんだよ、普通はそうであるべきだと俺は思うね。スカートペロリで女が怒る?なんて世の中になってしまったのだ。世の人間からナイーブな心が消えてしまったのかとでも言いたいのだろうか。
スカートペロリという言葉でなんとも思わなくなってしまったこの世が怖い。ちなみに俺はこのスカートペロリという響きだけで十分にピンクな気持ちになれるね。3日くらいはお自慰のおかずにできる。
スカートめくり。割と普通の響きだが、これを見ている男でそれを実践したことのある男ははたして何人いるだろうか。
実際そんなにいないと思うんですよ。スカートをめくる前にかってにめくれてしまうような短いスカートになった今の社会にも問題がありますが、自らそのスカートを手で握り、ふわっとまくりあげた人なんてそそうにいないはず。
これ聞いたら尊敬するぞ、俺のこと。今までこの程度の変態か、失望したぜ中途半端な変態エロなヒロめっとか相当バカにしてくれた野郎もこれ聞いて絶対見直す。
俺スカートめくった。
今の一言でけっこうひいたよ。かなり読者のテンション下がっただろうね。ヒロさんをフィアンセにしたくてたまらなかった女性読者の悲鳴まで聞こえてくるね。いいよ、俺変態だから。
まぁ、俺も理由無しにめくったわけじゃないんです。ただたんにパンツの色確認したかったからめくってみたとかそんなんじゃないんですよ。
たしかにアニメとかでスカートをめくるシーンなんてあっても全然驚かない。驚けないね。しかしリアルでスカートめくれる輩なんかいようものならマジで変態だと思ってしまう。俺だってそう思ってしまうものの一人。しかも俺自身もめくったのだから変態だと断言できる。
だからこそ、あの時めくられた女の子には本当に申し訳ないと思った。めくりたいなんて一度も思ったことはなかった。しかし、俺は彼女のスカートをめくった。
時はさかのぼること小学校一年生。
そう、俺は小学校一年生にしてスカートめくりという変態の極意をやってのけたのだ。小1でスカートめくるとかどこまで根の張った変態なんだ。信じられないね。
小1とか普通そういった性とかに意識ねぇはず。やっぱ俺の変態性ってのは生まれ持って受けた本能だったのかもしれない。生まれた瞬間から俺は変態だった。
話を戻して小学校一年生。ちょうど二学期ごろだったかもしれない。病に倒れるちょうど一ヶ月くらい前だと覚えているから、ちょうど秋ごろだ。
夏とか冬と違って、こういう過ごしやすい季節みんなキャワイイかっこして歩くんですよ女の子ってのは。キャワイイかっこしてね。
俺はちなみに晩年ジャージ男だったわけですから、夏冬関係無しに体操服のまま学校でした。ファッションとか気にしない年頃、動きやすければそれでよかった。寝癖もモリモリ作って学校に行ってました。
しかし女の子ってのは当時からファッショナブルなわけで、生まれた瞬からオシャレしてるんじゃないかといわんばかりにオシャレさん。可愛い服とか当時から自分でチョイスして着こなしてたんでしょうね。
そういう季節が来るとね、人間生まれて持ってる本能みたいなのが目覚めるんですよ。たとえガキであろうと関係ない。ほんと年齢なんて関係ないね。
隣の席のM子ちゃんに恋をしてしまったんです。
小学生の恋。どこに惚れるのだろうか、消しゴムを6年間持っていかないと心に決めたヒロさんの為に「仕方ないなぁ」とかいいながら消しゴムを貸してくれるその姿に惚れたのだろうか、それともエンピツは6年間家では研がねぇと心に誓ったヒロさんの為に、「ダメだなぁ」とか言ってエンピツを貸してくれるその姿に惚れたのだろうか。
惚れた理由なんてわからねぇ。そんなもん惚れた理由いえるヤツなんかいたらそれは本物の恋じゃないね。
いっつもエンピツをMAX研ぎの状態で俺に提供してくれるM子ちゃん。何でかしらないが俺の中ではM子ちゃんの笑顔は最高に輝いてた。エンジェルがジャパンにやってきた。日系エンジェルなんですよ。
いつしか隣の席のM子ちゃんに恋をしはじめた俺。何度借りてもこいつ嫌がらねぇ。何でだ!一体なんで嫌がらないんだ!疑問に溢れる。
しかしまだまだナイーブな無垢少年ヒロさん。声をかけるなんてとんでもない。エンピツ借りる以外言うことは無いのか俺は。
にもかかわらず誰にも言ったつもりないのに、いつの間にかクラスの一部の男の間で「ヒロ君はM子ちゃんが大好きらしいよ」ってウワサが広まりまくってました。なんと大胆な。大好きって言ってるよ。
当時の親友田中は、そういう噂話が大好きなヤツでした。人の噂を食って生きるようなちょっと意地の悪いやつでした。
親友であるというのにコイツだけには知られたくありません。しかし親友の耳に入らないほうがおかしいのかもしれない、噂はすぐに彼の耳に入りました。
そしてある日、とうとう事件はおきました。
「なぁなぁヒロ。M子ちゃんが好きって本当?」真剣な目つきで俺に言ってくる。親友の心からの言葉みたいに言ってきやがる。
好きだ。しかしそんな照れくさいこと言えない。いくら田中でも限界がある。この恋心は俺の中にしまっておくだけで十分だ。
「全然。好きなわけないやんかー」思ってもいない言葉を吐く俺。テレながら言うわけ、嘘のヘタな俺が。
そんなもん俺がM子ちゃんのこと好きなことくらい余裕だぜといわんばかりに知り尽くしてる田中君。彼はやはり非道極まりない人の噂を食う最低男である事実を発揮した。
「じゃぁM子のスカートめくってみろや。オマエM子のこと好きじゃないんやったらできるやろ。」
当時は恋なんて言葉は本当に半端な物でした。恋ほど単純で恋ほど軽いものは無かった。恋のディープな部分など持ち合わせていない俺たちにはからかいの的でしかなかったんです。
もちろん田中君も俺を本当に俺を陥れて楽しもうとかそういった意味で言ったのではないのでしょう。恋は軽すぎた故に、俺をからかってみたくらいにしか思っていない。単純に遊び感覚に。
俺は好きだという事実を何故か守り通さないといけないという使命にかられてました。スカートをめくるほど屈辱なことはない。しかし恋がばれるほどもっと屈辱なことは無いと曲がった考えを持ってたんでしょうね。
スカートペラァ〜ン!
そうまさにこの後12年後にみるあのスカートペロリのように、高くスカート布を舞い上げました。天高く、パンチィが見えるように。
しかし12年後のそれとは大きく違っていた物。彼女は目の前で泣き崩れてました。「イヤン♪もう」なんて言葉は発しません。声を上げて泣いてます。俺のせいで。
小学一年生にして俺は変態の称号を得ました。小学一年にして好きな人のスカートをめくってしまう至上の変態。バカ丸出しなおれ、あのタキシード仮面オヤジのように。
きっと彼女はもう忘れれなかったと思う。心の傷だ。俺はそこまでしたということで、彼女を振り向かそうとかそういう考えを持つことは無くなった。っというより彼女を愛したあの気持ちすらも無かった。
もう彼女は俺と話することは無くなった。エンピツと消しゴムは貸してくれるが、彼女のエンジェルな笑顔はもう貸してくれない。
そんなジンクスがあったりするんですよスカートめくりには。
これから先俺はスカートをめくることは無いだろう。一生ないと思う。あのスカートめくりは最初で最後のスカートめくりにしておきたい。彼女はたしかに傷ついたと思うんですよ、けどスカートペロンであんなに純でナイーブなリアクションをとってくれるのはほんとにあの時くらいだと思う。
今めくっても性欲やら世間体やら色んな物が邪魔してあんなナイーブなイベントにならい。同じような年にしてスカートの中身みせて悦んでる女の子だって今目の前に出没したわけですからね。
スカート女を通過。それから自転車を走らせて数分。ついに目的の場所に到着。次回面接受ける予定のバイト先のゲームセンターです。
俺ね、面接受けるとか言いながら自分の受ける先のゲーセンの場所わかってなかったんですよ。マジでおバカだ俺は。そういうとこちゃんとしとけって感じ。
立派な入り口。高いビルのゲームセンター。よかった、本当に良かった。
正直ケツの穴狙われないように普段から穴筋しめとかないといけないようなちょっと怪しいところじゃないかと不安だったけどね、すげーいい場所だここ。
ローソン2回落とされてますからね。今回こそは受かればいいなとそう切望するヒロ。今回はマジで決めたい。
それではお粗末。
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