新人さん

2003/02/25

「兄ちゃんの笑顔見てたらついつい買いたくなったわ」

俺の素晴らしい営業スマイルに頬赤くして胸ときめかして俺から商品を買う。もう目つきなんかかなりうっとりしてるんですよ。

俺はミステァードーナツで働いてるわけなのですが、どうもこういうお客がついて困るんです。目トローンとしながら俺をドキドキワクワクしながら見つめてくるんですよ。しかも毎回40過ぎたオバハン。

なんっていうか、こんなミステリアスなことがあっていいのだろうか。こんな紳士で女性の憧れ一直線間違いなしなはずのこのヒロさんがですね、10歳の今をトキメク女子校生ではなくて40過ぎたオバハンに毎回人気なんですよ。

うちのオカンよりもはるかに年いったオバハンが毎回俺のスマイルを見て「兄ちゃんステキやわー」とか目をハートマークにして言ってくるんですよ。マジありえない。

やっぱこれって世の中間違ってるね。ズンドコ節とかなんだか知らないけどね、俺はそんな歌とか歌ってる彼とは違ってまさに若者路線なわけですよ。最新が大好きなヤングな野郎なんですよ。それだというのに毎回オバハンが寄ってくる。

一度でもいいからモテたい。俺だって若い女の子にキャーキャー言われてぇ!死ぬほどキャーキャー騒がれて「ヒロさん大好き♪」っとか言われまくって見たい。あいつもこいつも俺の隣の席を狙うような素晴らしいモテ野郎になりてぇ。

しかしいっつもモテるのはオバハーンばかり。オバハーンが「アフンアフン」って言いながら迫りよってきて、「兄ちゃんステキ」って言われまくって夢にまで出まくって勤務先でもみんなにそれをネタにからかわれて。

兄ちゃんステキってこのバイト初めて何度言われただろうか。なんだろうか、やっぱり俺には中高年代のオバハーンの母性本能をくすぐるムラムラなオーラを放っていて、オバハーンにはコレがもうたまらなくてたまらなくてヒロさんが半径一メートル以内に入っただけで「あたしもう耐えられないわ。ヒロさん好き」って思ってしまうような素晴らしい能力を生まれ備えてきたのだろうか。

なんと無駄の多い能力だ。人間誰でも一つ人には負けないものを持って生まれると言われるが、俺の負けないものがコレだったとしたら俺は一体何のために生まれてきたというのだ。オバハーンに俺の癒し系ビームを浴びせてオバハーンに「アフンアフン」と言わせることが俺の人生の仕事なのだろうか。人間としての意義なのだろうか。

世の中にはボランティアと言って自分には全く得が無いのにそれでも無償で働き続ける素晴らしい人がいると言う。

では俺もそんな人たちのように、今の癒されないオバハーン社会に俺の癒し系ヒロビームを無償で浴びせてやっぱり「アフンアフン」とか言わせなくてはならないと言うのだろうか。

そういうのはイヤだ。おなごにモテたいとか言いながらオバハンにもてるこの焦らしっぷりが俺はイヤだ。昔美人なんか俺は要らない。スベスベの肌をくれ!俺にくれ!シワシワの肌なんか欲しくねぇよ俺は!


今日も俺からドーナツを買いに俺のファンなのか俺についてる常連なのかわからないが、ニヤニヤしながらいつものババーがやって来る。俺の為と言わんばかりにやってくる。

いきなり押し倒してオバハン騎乗位。「うえーん!オバハーン!俺のチンチン立たないから許してよー」な事件の一つでも今から起こそうと言わんばかりのギラギラした目つきで相変わらずおれに言うんですよ。「ポンデリング一つ」って。

おいおいあんた今回もそれだけかよ!ってツッコミたいんですがね。ここはプロのアルバイターのヒロさん。たとえオバハンの逆レイプであれなんであれね、完璧なセールステクニックというやつを貫き通さないといけないんですよ。完璧をね。そうわけで・・・

癒されねぇ。

「癒されてぇ」そんな風に愚痴る毎日。オバハンからどう癒されろと?そんなもん誰からもモテないよりね、オバハンからキャーキャー言われた方が余計にぼやきたくもなりますよ。メンタル的にも限界。癒されたい。

そんな俺に素晴らしい話がやってきた。

「おいおい!今度新しく新人で女子校生入るって!女子校生!」

な、なんだって!!!

女子校生ですよ女子校生!聞きましたかみなさん!女子校生ですよ!うはは〜い!

「オメェ女子校生が来る程度で何期待してるんだバカヤロウ」っとか簡単に言われそうですけどね、男子校育ちな俺に女子高生と交わりがあるただそれだけの事がどれだけ素晴らしいか。女子高生とお話できるだけで俺のチンポビンビンテンションマックスなんですよ。

嗚呼女子校生。身近のようで遠かった貴方たちの声。この3年間どれだけ俺は精進してきただろうか。女の声。嗚呼、素晴らしい。

このバイト先って結局俺より年上の女の人ばっかりなんですよね、だから俺自身もあんまり許容範囲ではないんですよ。しかしですね、今年卒業とはいえ俺と同じ年齢の女性。おなごであるわけです。

遠足を待つ思いで今現在、毎日がワクワクなんです。女子校生と同じ場所で働ける。中学校の時は同じ教室で男も女も肩並べて勉強とかしてたんですがね、高校入って以来こういった男と女が共存しているスペースで同じ一つのことをやるというこういったシチュエーションが全く無いんですよ。本当に悲しい話。

そうなると俺も仕事に力が入る。俺ってさりげなくバイト先ではかなり真面目な方なんです。さりげなく。

たしかに仕事はできる方じゃないんです。同じだけのことをやっても人よりちょっとだけ理解が遅れることぐらい十二分に承知してるんです。

だからこそ人より多く働くことによってそれを補おうと日々努力してるつもりなんですよ。シフトなんか24時間年中無休でOKなんて書いて提出してますからね。

新しく新人の女の子が入ってきたらバリバリに仕事のできるかっこいいヒロさんを見せ付けたいとか思ったりはしませんが、せめてそこそこに仕事はできてちょっとはできる奴くらいでは通りたいんです。バリバリが無理ならせめてちょっとだけでも。

「ここわからないよぉ」なんて困ったちゃんな顔で問い詰められても、「あ、こここうやるんだよ」って注意できるくらいの基本的なことくらい覚えといてね、でもって「まぁステキヒロさん。結婚してください」とは言わせませんが、「難しいですよねぇ」って言って俺も「うんうん難しい。俺なんか入りたての頃全然こんなことできなかったし、○○さんはできるだけまだ凄いって」みたいなイヤラシいトークしたい。させてくれ。

女子校生ってどんなこなのだろうか。

俺はロリータなわけであって、ちょっと純情ぶったそこらへんのオタッキーと変わらないような普通のロリータをやってるんですが、そうなると妄想も奇人のように進む。「ごはんですよ」でご飯がモリモリ進むように、「女子校生」だけで俺の妄想はモリモリ進む。

高校三年生、身長158センチ体重45キロ。髪は短め。色はミスドに入ったせいであんまり茶色くできず。爪もピアスもミスドのせいで全然つけられない。化粧もミスドのせいで全然無理。ああ、今思えばミスドって何て素晴らしいところだろうか。

たしかにミスドってメッチャ規制厳しいんですよね。男なんて未だ刈上げ制度ですから。髪の色もほとんどダメって言われてるからうちで働いてるフリーターみんな髪の毛黒ですから。

でもね、そういう職場だからこそ女性もまた厳選されるわけですよ。バリバリの汚らしいギャルなんてものはミスドのフレッシュガールをさせてくれないわけですからね、そういった意味で女性もかなり洗われて洗われて厳選される。

今更ながらにミスドのこのアピアランスの厳しさに感謝するよ。最低期待を外す様なヤリマン丸出しバカ丸出しな女は来ないと。

ああ。そう思えば思うほどまだまだ妄想が進む進むモリモリ進む。

これ以上変態が進まないように今日は寝よう。

俺もいつまでも変態やってるわけにはいかないわけですからね。

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