卒業式

2003/02/23

卒業式です。

朝目が覚めたら6時でした。たしかに前日は遅刻しましたよ、けど卒業式まで遅刻するわけにはいかない。こんな大切なイベントで遅刻とかありえないわけなんですよね。俺もそれくらいはふまえてるつもりです。

盛大な拍手を受けながらバージンロードだかロストバージンだかわからないかがそれっぽい道をクラスで列になりながら堂々とあるくんです。

俺もやっぱ芸能人ですからね。プロ意識を持って拍手を送る在校生に天皇陛下みてぇに手を振ってみたりしようかと思ったんですよ。満面の笑みで在校生に手を振って芸能人らしい一面の一つくらい見せてもいいかと思ったんです。

だがしかし、いくら痛い系サイトのヒロさんだからってね、人生一度の思い出の日までワザワザ自分から汚そうなんてそんなバカなこと考えてません。やっぱね、こういう日くらいは何にも無くネタなんか無く愛と感動の日記で終わるべきだと思うんですよ。オチとかなしで愛と感動とそして涙の結末ですよ。

しかしねぇ、こういうことバカ高校の俺が望んだのが間違いだった。成人式はそりこみとか入れまくってたり金髪でツンツン頭の兄ちゃんがいっぱいいて町の中で大暴れする日ときまってる日本の世の中で、お堅い行事を何事も無くキレイに収めようなんてそんな文化どこにも残っていやしねぇ。

卒業証書渡すときだってね、「呼んだかい!」とか「おうよ!」とか魚屋の威勢のいい兄ちゃん。あんたら本当に卒業する気あるのかと問い詰めたいヤツばかり。なんたって卒業式、テンション高いんですよみんな。

世の中では成人式に大暴れする青年を悪人にする人もいるけどね、冷めた若者しかいない世の中であんなにテンション上がれる若者見れるだけでも珍しいと思ったほうがいいと思うよ。学園とかで紛争やらしてた時代はもう過ぎたんですよ。過去なんですよ。違った感性の若者ばっか。

そんな若者で溢れているにもかかわらず、アホな学校というもっと素晴らしいアクセサリーがついてきてその素晴らしさはもっとバージョンを増すんですよ。誰も泣くやつなんていねぇ。先生しか泣かない卒業式なんですようちは。

まぁそんなこんなで卒業式が終わって、久しぶりに部室なんかに行って見る。部活なんてもう行ってないからねぇ。後輩にいきなり「開けましておめでとうございます」っていきなり言われちゃったくらい部活には行ってない。

卒業記念に部員の3年で飲み会することになったんですよ。

今日は誰が大暴れしてくれるかな。そんなこと思いながらお昼休みはウキウキウォッチングな気分で飲み会に行ったわけです。

それなのになんだ。オメェら飲みの真髄をわかっていねぇ。オメェら本当に高校生か?俺は深く問い詰めたいよあんたたちの脳細胞を。神経生きてるのかコイツらマジで。

アルコールはロリータなエロ本の次に大好きなミドル級酒飲みのヒロさんなんですが、そんなあきらかにインチキ臭いレベルの俺ですらもわかるくらいの最悪な状態なんですよ。ありえなかったねマジで。

みんなが飲んでるの「なっちゃん」ですから。

なんで飲みに来て全員オレンジジュースなんだよ!ミステァードーナッツでアルバイトしているせいでシロップタップリな皮下脂肪ジュースは飽きて飲めなくなって、もう果汁100%じゃないとジュースは飲まないと心に添えて生きている俺にとってここまで苦々しい時間は無かった。

何故酒の肴相手にオレンジジュースをすすらねぇといけないんだ。

酒の肴ってのはね、酒と呑むために調理されてるわけ。だからね、酒と一緒に食べなかったら健康には凄くわるいんですよ。ほら、サラミなんか子供が食べたら鼻血が出るってよくいうじゃないですか。こういうオレンジジュースな野郎には酒の肴なんて早すぎる。100年早いよお前ら。

オレンジジュースが飲めない挙句、みんなが酒飲んでないせいで俺も一人酒を呑めなかったので端っこでアイスウーロンティなんかをすすってたんです。窓際族といわんばかりの端っこの席で。

酒を飲むやつで二次会をすることになった。

みんな酒の肴をたらふく胃に詰め込んでるので、居酒屋ではなくカクテルバーにしようと思ったんです。卒業記念にカクテルバー。俺以外にカクテル飲んだことあるやつなんて果たしているだろうか。

俺はちなみに関西一と名高い怒涛の紳士をやってるので、カクテルなんて余裕。全部名前覚えてます!っていいたいところですが、俺も実際二度目なのです。旧「鰹節の心」で去年の10月の日記にも特別版で語ってたんですが、前回行ったのは牛丼の並すらも満足に食いきれない半人前男な先輩だったんですよ。

特盛を全部食う男こそ真の男だと悟る俺には大学生でありながらいまだ高校生オーラ丸出しなこの先輩の選んだ行為が不思議でならなかった。だがしかし今、無駄だと思われたこの経験が発揮される素晴らしいタイミングがやってきた。

俺は大人の男なんだぜと見せ付けるようにカクテルバーの場所とかチョイスしたんですよ。一つしか知らないくせにチョイスとかいちびってつかってみたりするんです。

中に入ると俺はマスターみたいな人に言う。「カシスオレンジ」って。ちょっとだけ「チャイナブルー」にしようか悩んだんですけど、そこまで苦いオレンジは今日はいらないと。実際俺も雑誌とか読んでるから、どれがどんな味なのか数種類くらいは知ってるんです。

飲んだことあるのは少ないんですけど、どれが俺でも飲めるリキュールベースなのかくらい見極めることくらいはなんとか知ってて。みんなは何にも知らなくてウイスキーベースとかウォッカベースをヒィヒィ言いながら飲んでるんですけど、俺はほとんどオレンジジュースの味なカクテルですから「オメェらまだまだガキだなぁー!」っとか言いながらすすりわらってあげる。よくも今まで俺をガキ扱いしたなっと。

しかし調子に乗りすぎたヒロさんは、最終的には「兄ちゃん今日は全部おごっちゃう」とか粋ったことを言ってしまい、泣く泣く貯金おろしに深夜のコンビニに走りATM。畜生だテメェら。

困ったヒロさんはこれ以上この家畜どもに金を飲まれないように、「カラオケ行かない!」ってふる。「イイネー」ってのってくれたので一同はカラオケにゴーすることになった。本当に良かった、あの日の明細書は一生忘れない。

一同は最寄のフランクなカラオケショップに侵入を試みた。

何故浸入なのか?そんなもん俺も含めて17才がいっぱいいる中でどうやって全員をカラオケ内に入れようか。免許書の一つでもあれば話は早いのだが、そんな洒落たもんもってる奴いねぇ。いるにはいるが17才。18才に身分証明する物なんか無い。

そこに卒業証書登場。こんなものでカラオケがパスしてしまうとは思いもしなかった。フリータイムドリンク無料のカラオケハウスへと一行は侵入した。

やっぱこういうところにきたらジョン・レノンだかジョン・レモンだか知らないが洋楽とか歌っとかなきゃ高貴な紳士の名に傷が行くとかおもったんですがね、何歌っても盛り上がる男カラオケ。今回も勿論一曲目は「君が代」でした。

俺はどうしても「イマジン」を歌おうとずっとタイミングを読んでたんですけどね、一曲目に「君が代」歌って二曲目にサザンの「Gスポッツ」とか歌うような輩の中で絶対歌えないとそう確信したんですよ。大人しくバンプ・オブ・七面鳥だかチキンだかようわからんがそこらのバンドを寄せ集めして歌ってました。

カラオケも中盤。俺らレベルのなかなか気高い野郎カラオケではですね、Xジャパンの「紅」を3倍速を噛まずに歌いきり、山口百恵の「コスモス」を泣きながら歌ったら中盤ときまってるんです。

段々睡魔という名の強敵が出現して、段々歌うのが気だるくなってくる。そうなると普段目立たないようなおとなし系キャラがどんどん歌い始める。眠たくなることによって俺ら組に参加するおとなし系も歌が歌えるのだ。コレはもうお約束。

終盤になると、だんだんみんな眠気に酔ってくる。ここまできたらもはや何を歌ったか憶えていない。たいていの人はここでマニアックなアニメ曲を歌うようになる。ガンダムとかそういうのではない。そんなのは誰も歌わない。古き良き日本のアニメ曲をお父さんになったつもりで歌うのだ。

俺の18番の「ど根性カエルの歌(シャツにカエルが入った全くもって奇想天外なアニメ)」とか「エースを狙え(一人の少女がエースになるまでを描いた少女アニメ)」とか炸裂する。「ベルサイユの薔薇(時はフランス革命。マリーアントワネットが処刑されるまでの姿を描いた宝塚歌劇団とかで定番のやつ)」とかそこそこメジャーな古アニメ曲を歌うやつもいれば「ガオガイガーのテーマ(何これ?)」とか最近らしいがだれも知らないような曲を歌う本当のオタクも爆発。

最後はもちろん「サライ」で24時間テレビが終わるその瞬間のような素晴らしい感動で終わらせる。カラオケなのに「ラジオ体操のテーマ」が入ってたので、みんなで朝5時半からラジオ体操第一で健康的な朝を迎えた。

最後かもしれないからもっと感動的な終わり方をするのだろうとそう信じて止まないんですが、最後まで誰もなかない!嗚呼、俺たちってこんなに薄い友情だったのか。ちょっと悲しいね。

そう想いながら俺は電車に乗っていた。バイトの時間は朝10時。現在朝7時。とてもじゃないけど家に一回帰って寝る暇なんか無い。一駅分のキップを買って、特急席の乗り心地の良い素晴らしい椅子で、俺は2時間くらい終点と終点の間を行って帰ってした。寝る為に。

一度でもいいから降車駅のことを考えずにゆっくり寝てみたかったんですよこの3年間。夢でもありテーマでもあった。それが卒業と共に叶うのです。最後の最後で。2時間、特急の快適なシートの上で終点までゆっくり眠り、ついたらその電車のまま再び眠ったまま逆方向の終点へと向かう。快適な電車の旅だった。

1時間弱の睡眠の後、俺を待っていたのは学生の俺としてではなく、フリーターとして、社会人としてのアルバイトだった。

卒業後初日、俺は一時間しか寝ていないにもかかわらず11時間の急激な労働に身を落とす。もうね、何度もめまいしたよ。お客さんの顔が二重に見えるアルねーっとかアニメで言ってたけど、本当にこんなことがあるものだとちょっと感動しちゃったね。

仕事が終わり愛車「マグナム4号」にまたがって家まで帰る。一日HP更新してないのでさすがに今日は更新とか思ったんですが、次の日は朝7時勤務なので、家に帰れば速攻寝ないといけない。寝ないと体が持たない。ってか家に帰った瞬間から次の出勤まで残り9時間と迫ってた。

ほんとうにありえないね。一時間睡眠で力を使い尽くした俺はそのままグッタリ眠る。6時間ぴったり寝て目覚ましで目を覚ます。6時間ぴったりでおきないとバイトに間に合わないのだ。家に帰ると飯を食う暇も無く寝て次の日の朝、それでも6時間しか寝れないのかよと意地になっちゃう。

次の日、もちろんカラオケで喉潰して最悪のコンディション。この日っていうか今日なんですが、昨日と同じ11時間労働でした。まぁ仕事は好きですからいいのですが、HPの更新ができなかったのが悔いですね。

侍魂がHPの更新しなくなった理由がフリーター2日目にしてわかっちゃいましたよ。マジで社会人でありながらHPもてる人って凄いと思う。こんな仕事漬けの毎日でよくもまぁHPなんか持てるものだ。

これからは社会人。もう高校生ではないんです。学生という甘えなど許されません。俺もフリーターというシフト制な人生がスタートしたんですが、時間も10分単位で何するか決められる生活です。今までできたこともできなくなったりするんでしょうね。

まぁそんな感じで、社会人第一回目の日記を終わらせていただきます。

お粗末です。


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