正しい発音による和製英語

2003/02/15

今日アルバイトに励んでたら、とある英語系外国人がやってきました。

外国人なんだけどね、英語を喋るんですよ。イギリス英語とかオーストラリアン英語とか俺にはわからないから、とりあえず英語しゃべる外国人が俺のバイトのミステァードーナッツへやってきたということにしておきましょうか。

なんというか、ミステァードーナッツってのはコンビニのバイトと違ってなんかネタに溢れてるね。ミステァードーナッツのバイトしか俺日記にしてないんじゃないのだろうか。まぁ、女の子いっぱいで毎日ドーナツばっか食べれるあのバイト先にネタが無い方がおかしいかもしれない。

そのネタ盛りだくさんのミステァードーナッツに、俺の日記のネタになるためにとでも言わんばかりに英語系外国人がやってきたんです。入店していきなり英語ですからね。もうね、イングリッシュさまさまなんですわ。

ちなみに日本語までも危うい俺には英語なんて完全に訳わからーんなんです。いったい誰が彼の注文を聞くんだろうか。

そこで登場、オーストラリアン留学経験有りのスーパー女子大生恵子さん。

今まで聞いたこと無いような声色でその英語系外国人と対話するんです。あんなに可愛い声だったスーパー女子大生恵子さんの声がいきなりハリウッドな声色に変化するんですよ。あまりのすごさに俺は仕事も頭に入らずずっと胸ワクワクさせてたんですよ。ハリウッドな声に一人隅っこでワクワクと。

英語系外国人はどうやら「アップルパイ」と「アメリカンコーヒー」を頼みたい模様です。当然スーパー女子大生迷うことなく一発で理解。

すげー!すげーよスーパー女子大生!あんた凄すぎる!まぁさすがに留学経験もあって完璧な英語なわけですよ彼女は。本当にすばらしい。

しかし俺はそんな彼女の英語対話よりももっとすごいことにワクワクしてました。

「アップルパイ プリーズ」って言わないんですよ外人さんは。「アップルパイェ プリーズ」って言う

これはちょっとカルチャーショックでしたねぇ。アップルパイエって言うのか。「エ」が必要なんだよ。微妙に「エ」が入らないといくら外国でアップルパイが食べたくてもアップルパイを食べることはできないんですよ。

外国で「ライス プリーズ!」って言ったら、「オー!日本人相変わらずシラミが主食かよ!全くキモイヤローだぜ!アッハッハ♪」とか「ライス」の微妙な発音が悪くってバカにされまくるように、きっとこのアップルパイも、最後に「アップルパイエ」って「エ」を入れないと「おう日本人ってヤッパリ!ゴミしかくわねぇのかよ!」ってバカにされる。

さらにもっと気がついたことがあったんです。

もしかしたら「アップルパイ」では語尾に「エ」をつけないといけないってことは、「パンティ」という時も「パンティエ」っと語尾に「エ」をつけないといけないのだろうか。

とある俺の尊敬する同じ書き物系サイトの同志は、パンティと発音する時「パンティエ」と発音していた。そう、彼はきっと正しい発音でエロを語って欲しいという執念の塊だった。パンティなんていう和製英語はもう古い。本物のエロならば「エ」をつけて正しく発音しろと。

だからね、金髪美人に街中で出会ってもしパンティがかぶってみたいという衝動にかられたら、純粋な心をもってして彼女に行ってあげるべきだと思うんです。

「すみません。少しの間あなたのパンティエを貸して頂けませんか?」

もし俺が金髪美人だったら間違いなく貸してる。50秒くらいは無償でかぶらせてあげるね。やっぱり和製英語を正しく発音するということは、外国人に対しての思いやりだと思うんです。確実な発音で頼めば絶対に大丈夫だと俺は断言する。


なぜ俺が断言できるか?それは時をさかのぼること高校一年生のとき。

俺は部活のちょっとした行事でオーストラリアンに行った事がある。メルヴォルンとかシドゥニーとかめちゃめちゃ滞在してたんですよ今考えたら凄い部活だったのかもしれない。

もちろん俺は英語がパー。以前の日記に通知表のせたと思うんですが、欠点以外取れないんですよ英語は。意味不明ですマジで。

そういうわけで、オーストラリアンとか洒落たツアーに参加してながら最終的に憶えて帰ったのは「トイレはどこですか?」って聞くことくらいだけ。

あ、今バカにしたでしょ?いっとくけどトイレの場所を聞くほど最も高度な技術はないぞ。

まずトイレだ。これをトイレと発音するのは和製英語。外人さんはトイレのことを「トイレッツ」と発音しなくてはいけないのだ。パンティと日本では呼ばれてるのに実際外国ではパンティエと語尾に「エ」がついていたように、外人さんにトイレと告げたい時は「トイレッツ」と語尾にツをつけないと伝わらないのだ。

え?おっぱいに「ツ」をつけたら「パイレーツ」になるのは知ってたけど、トイレにも「ツ」なんかつけれたのかぁぁ!って最初はマジで驚きを隠せなかったですね。そう、外国人の英語は語尾が大切。

「語尾にはツだ!語尾にはツだ!」そう心に思いながら俺は近くのファーストフードに来てました。

びっくりしましたよー。オーストラリアンにもセブンイエブンとマクドゥナルドがあるわけですから本気で驚いた。今回はその外国のマクドゥナルドに来てたんです。

オーストラリアンのマクドゥってのは、天井が高いだけでそれ以外は全然日本といっしょ。俺の愛するフィッシュバーガーも同じサイズで売ってるんです。

全国同じ品質なんだなぁと深く感心したのもつかのま、レジのキャッシャーガールと怒涛の対決が始まります。なんせむこうのマクドゥでも雇われてるのは時給制のアルバイター。日本語に対応できるようなカリスマな野郎などいません。

俺は日本でも同じ品質というのが嬉しくってたまらなくってですね、いつも日本でも食べてるフィッシュバーガーのグレープソーダのセットが無償に食べたくてたまらなかったんですよ。

オーストラリアンなサイズの食い物しか食べてなかったんで、日本品質のものが食べれるのはまさに砂漠のオアシスといった具合なんですよ。久方の日本を満喫できるんです。

外国のマクドゥに来て真っ先に食べるのは誰だっていつも日本で頼んでるハンバーガーだと俺は思いますよ。異国の地に来てどこかで不安を抱えている心にはいつもの平凡なセットがどれだけ癒しになるだろうか。

プロフィールにも書いてるんですが、俺は超緑茶フェチだったりするんです。スーパーでウルトラーでなまらな勢いで緑茶を愛する純日本男児な俺がオーストラリアンに来て真っ先に苦しんだことといえば緑茶が無いこと。緑茶がきれてしばし禁断症状に悩まされた。

だからマクドゥでは日本と同じあのフィッシュバーガーとグレープソーダのセットが恋しくて意地でも食べたいと切望するんですよ。日本と同じタルタルソースのたっぷりのったフィッシュバーガーと、相変わらず泡の量が異常に多いファンタグレープを。

どうしても日本の時と同じ注文をしなくてはなりません。正しい発音でセットの内容をきっちり伝えないといけません。

和製英語のせいで発音がめちゃめちゃベターな俺には苦悩しまくりでした。俺よりも、レジのキャッシャーガールの方がもっと苦悩だったでしょうが。

ここで悟れるんですよ。いくら和製英語でもしっかりした発音でちゃんと物を言わないといけないと。発音一つで外人さんとの信頼にも繋がる。変な発音で憶える和製英語はダメダメだと。

俺は一発目に俺はフィッシュバーガーを伝える作業からとりかかった。

「フィッシュヴァーガープルィーズ」

うむ。なかなかいい発音じゃ。これだけならオーストラリアンな留学生高校生とやらにも勝てるぜ。これだけなら。

「OK!」

満面の笑みで俺に「わかったぜマイケル」といわんばかりのいい感じのアクションが帰ってきた。確実にフィッシュバーガーは伝わった。

次に俺はポテトはLサイズであることを伝えなくてはならない。さすが全国12000件のチェーン店。50円プラスでLサイズにするそういう肝心なポイントには全く抜け目が無い。50円プラスあってこそ今のマクドがなりたってるといえるね。

「ポタィト は L」

もちろん「ポテト」以外は日本語で言ってやりました。いくらアルバイターとは言えどもね、今は日本人相手に商売してるわけだから日本語という試練の一つくらい与えても全然悪くないと思うんですよ。

まぁ俺が英語を喋れないというのが一番の要因なんですが。

「OK!」

おお!「そんなの当然たぜマイケル」といわんばかりの好リアクション。なかなかやるじゃねぇかこのアルバイター!

気に入った。次からは是非ともキミを指名しよう。彼女の理解あるランゲージ能力のおかげで俺はかなり救われたからな。もう8割は注文が終了したんです、日本の地で食べたあのハンバーガーまであと少しです。

よし、それでは最後にファンタのグレープでミールを組んでくれという事実を伝えよう。セットなんて生暖かい和製英語は向こうでは伝わらない。ミールだミール!フィッシュバーガーミールと言わないとセットだと認識しねぇんだよ。

最後はちょっと粋って言ってみる。

「ファンタ グレイプ!」

「??」

ちょっとまった!何故通じない!世界共通じゃないのか?ファンタグレイプって!!

それとも彼女は勝手にファンタグ レイプって認識して俺を勝手にセクハラ扱いしているのだろうか。いや違う!今はフィッシュバーガーセットを食おうとしているのだ。ちょっと変に聞こえても絶対そういうとりかたはしないはず。

俺の発音が悪いのか?よし、きっちり。きっちり発音しよう。まだ和製英語のなまりがあるに違いないきっと。

「フェァンタ グゥレイプ」

「??」

ヒロさんピンチであります。今までトイレの位置を確認することくらいにしか英語を使ってなかった和製英語のカベは厚い。和製英語が俺の英語を邪魔する。

あ!そうか思い出したぞ。トイレ聞く時に心に刻んだじゃないか!「語尾にはツだ!語尾にはツだ!」って。俺って本当にバカだなぁ。全ては語尾にツがカヴァーしてくれるんだって。

「ファンタ グレイ

「OH!OK!!」

ほら完璧じゃねぇか!「オッケーマイケル!好きよマイケル」って感じに妙に盛り上がってるでねぇかこのレジのキャッシャー!やっぱり語尾にはツが一番なんだって!

みんなオーストラリアンで和製英語喋る時は、語尾に「ツ」をつけるのだ。これだけで全ては解決する。

ちなみにこのとき来たのは「フィッシュバーガーのファンタオレンジのセット」だった。明らかに彼女は「ファンタに感謝!」って意味でとったに違いない。日本から来た学生がいきなりレジで「ファンタに感謝!」とか唱えてるのだ。

それを聞いて彼女はきっと思ったことだろう。日本人って食べ物を大切にするすばらしい生き物なんだと。ファンタを飲める今日という日に深く感謝する素晴らしい民族だと。

そう思えば思うほど彼女もきっと胸がワクワクしてたまらなかったと思う。ちょうど俺が「アップルパイ」の語尾に「アップルパイエ」とエを入れるその瞬間にワクワクしてトキメキを憶えたように、彼女も絶対にワクワクしていた。

その後オーストラリアン滞在中、俺は何度もファンタグレープに挑戦し続けたが、そのつどファンタオレンジがでてきた。どうやらオーストラリアンではファンタ=ファンタオレンジを意味するらしい。


そういう訳で、和製英語の発音はかなり重要だと思われる。オーストラリアンに行ってもファンタオレンジしか飲めなくなってしまうのだ。

ためしに道で出会った金髪美人に「すみません。少しの間あなたのパンティエを貸して頂けませんか?」と聞いてみよう。セクハラだと言われた瞬間、あたなは本当の英語を手にすることになるだろう。オーストラシアンでもファンタグレープが飲める。


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