宗教勧誘

2002/12/24





某日。あるおおきなデパートに俺はきていた。 と言ってももう終了時間過ぎてるデパート。 ただデパート前でちょっとくっちゃべってただけです。 そんなタバコとか酒飲みながら大声出して騒ぐ迷惑な物ではありませんよ。 純粋にくっちゃべってたんです本当に。 しばらくして、話も盛り上がりそろそろ落ち気味だった頃一人の女性が俺に近寄ってきました。

え?もしかして俺ナンパされるの? 夜も8時過ぎ絶好の遊び時間。 相手はかなり可愛くて、バストEで、 身長もやや小さく目がぱっちりしててもう文句のつけようが無いってくらいの女。 カラオケ行って呑みに行って、このまま夜の関係でむふふ・・・なんてのは完全な妄想。 現実はババアですよババア。50過ぎの。 バストEとか夢のまた夢。またなんでこんなババ様がいきなり俺なんかをナンパしたんだろうか。 もしかして俺って母性本能くすぐるオーラが体中から出てて、 50を超えた女性なら誰でも母性本能がうずいて、 ヒロの近くにいるだけでドキドキワクワク。 昔のあのトキメキが蘇る。 そう若かったあの青春時代の恋心。 だめ、あたしったらもうダメ。ヒロ君に見られたらもう胸のドキドキが隠せない。 みたいな力が生まれもって備わってるのだろうか? 50代以上の女性ならいつでもゲットできてしまうなんとも素晴らしい体質。 人妻いっぱい。もう俺の周りにはつねに50代以上の女性がつきまとっていて大変な始末。 ・・・だったらどうしよう。 俺人間として生きることできないかもしれない。 例え夢でもこんな夢見た日には一日飯を喉通さないよマジで。

ババ様は俺に近寄ってきていきなり声をかけてきた。「こんばんわ」「あ、こんばんわ」 っとおれも一様社交辞令にのっとり普通のご挨拶。 しかし近くで見ると本格的にババ様だ。本物のババ! あんな妄想が膨らんだこと自体がもう意味不明だ。 「あなたは幸せになりたいですか?」 おいおい!いくら若い子ナンパにしてもそんな挨拶ねぇよー! こんばんわの次は幸せになりたいですか? 新手のナンパ?それとも古きよき日本伝統のナンパですか? だったとしても俺リアクションに困るなぁ・・・

「別に。俺は今高校生ってだけで満足ですよ。仲のいい友達もいますし。」 直に意見を言ってやった。するとババ様すかさず俺に言った。 「もっと幸福を求めることができます。」 え?そんな美味い話あるの?新種の詐欺商法ですか? 「あなたも私たちと一緒に幸福になりませんか?」

は?何言ってるの? 俺はババ様と幸せになりたくない! 女子高生と幸せになりたいよ俺は。 まだまだ生涯長いんだし、そんなに背伸びして先にババ様とゴールインなんて狙いません。 今俺は高校生なんだから、相手もズバリ女子高生?文句ありますか?ババさま

「私たちはK(教祖)さまの力によって幸せを得てるのです。」

宗教勧誘だ!いやいや薄々は感じてたけど最近そんなのに会って無いし久しぶりでびっくりしたよ本当に。 残念だけど俺は宗教はやらない。っていうより日本人は日本人らしく仏教やりなさい。 日本の葬儀屋はみんな仏教なんだしさ。 そんな屁理屈言わないでさ。うんうん

「あなたも一緒に私たちの教団に入って幸せになりましょう」 「は?俺は教団なんか入らん。 俺は俺だ。わかる? あんたたちはその教祖様が自分の全てかもしれない。 けど俺はがあるし。 が欲しくってそのに向かって頑張ってるから。 他の人はどうかしらんが俺はこのが全てやねん。 それを高校のうちから教団とかわけわからんもんに入って変な目標突きつけられてどうすんねん。 俺宗教とか無理やから。そういうことやおばちゃん」

はっきり断った。まぁこの程度では引き下がらないのはわかってたけど、 前回俺が逃げ腰だったんだし今回こそは曲がるまで戦ってやろう。 まぁそれでも相手は俺の3〜4倍は生きてる様なババ様だ。 油断はみせれん。うん

「教団に入っていっしょにお祈りしないとあなたは不幸になります。」 フザけるな。俺はこういう自己中な集団は大ッ嫌い。 まぁ入らないより入ったほうがマシかな・・・って感覚ならまだしも、 入らない人間全てを否定しやがった。 許せません。 ここは健全な高校生の代表としてヒロが、 ババ様を蹴散らしてやりましょう。

「あ?今不幸になるとか言わなかった?俺は今は幸せだ。 これ以上の幸せなんな求めるだけ無駄だと思ってる。 幸せの大きさなんか人それぞれじゃねぇか。 例えば年収1000万貰って裕福な暮らしして初めて幸せを感じる人もいれば、 仕事より家族を優先してあまり収入はないが、家族の温かみってやつで十分幸せな奴だっている。 それがなかったらボランティア活動なんか今頃無いぞ。

ちょっと興奮して言ってしまった。ダメだダメだ。気を落ち着かせないと負ける。 もっと平常心を保たなくては。

「いいえ。全ての人間を作ったのは●●教祖さまです(これ言ったらばれちゃうな。教団名) 私たちは●●(教祖)さまによって与えられた世界に住んでるのです。 ●●さまを信じない人は幸せにはなれません


「俺は幸せだぞ十分。おたくのところの●●拝んで地べたに引っ付いて幸せ幸せって唱えなくても十分日々の生活に満足だぞ。 だいたいあんたのいう幸せってなんだよ。」ここまできて周りにいた友達はみんな見事に無視しています。 誰も俺の救いに入ってくれません。一対一のサシってことですね。いいです。やってやりましょう。

「幸せとは●●です。信じないとあなたは地獄に落ちます。

腹立ってきた。12回くらい死ねって言いたい。何言ってんだこいつ。 そんなこんなで1時間の死闘がつづく。 洗脳とはマジで怖い。 目つきがイッてるこのババ様。 何を言っても屁理屈みたいな返事ばかりが返ってきます。 わかりました。そっちがそうなら。 俺も考えがる。 あんたの言うその●●ってのを全部否定してやる。

ババ様「全ての宇宙は●●さまが作ったのです。」

俺「しらねぇよ!宇宙をその●●ってのが作ったなら今頃ノーベル物理学賞とか化学賞とかねぇって! もしそうなら今頃ノーベル賞田中さんはいまだ普通のサラリーマンやってるよ。 信じないと救わないその●●ってのも相当あくどいよな。 まぁ信じないことには向こうも救えないって言うならしかたないけど。 それにその教団もなんか誕生して2●●●年くらいたってるらしいけど。(これ言ったらバレそう。) 本当にそれでみるみる幸せになったんだったら今頃地球人全員その●●の教えに従ってるって! 日本だって昔ザ●●●っていう宣●●きてるんだから、それでもまだ信じないんだったら なんかまだ疑われるような要素持ちまくりなんだろ。」

まず俺はこのババ様の存在が疑われる要素だと確信持って言えるがな。 それ言ったらせっかく俺にナンパしてくれたババ様に失礼だから言わない言わない。

「実は・・・私は永遠の命なんです」

うぁぁぁぁぁぁぁ!洗脳ってマジ怖い!怖すぎるよマジで! そんな真顔でシャレにもならないジョーク言うなよ。 俺リアクション下手だからこんなネタ振られても困るって! しかもあんたさっき地獄に行くとか天国に行くとか話してたやん! 永遠の命だったら必要ないじゃん! 一生地獄にも天国にも行かないしなぁ! うんうん。いいよわかった。俺本当に悪かった。 ゴメン。本当にごめんババさま。 俺宗教ナメてた。 散々仏教のことバカにしたおしてくれたけど 確かにそれじゃ仏教負ける。 しかしこういってもらえると俺は圧勝。 もう勝てます。


「すまん。おばさん。俺そんな教団に入りたくありません。」


おばさんはしばらく黙った。 一冊の冊子をおいた。 中身は●書とよばれる教団の書物。

俺勝利!ついに相手を止めてやりました! 高校生代表ヒロ勝利です。 いや別にその教団が嫌いじゃない。ちょっとババ様を潰してみたかっただけ! 2時間にわたる戦い。もう10時過ぎになるでしょうか。 ろくにあたまも無い俺が教団一つネジ捻じ曲げてやりました。

「やましい宗教やなかったら勧誘とかせんでいいやん。その行為自体がやましいやん。 ・・まぁでも頑張ってるみたいやし。これ以上なんともいえへん。がんばってなおばちゃん

今この「・・」って部分で考えましたよ。 これ以上先を言ったら俺確実に消されると。 ババさまが変な呪文を唱えると、7人の手下が現れて俺をいい感じに取り囲む。 いきなり俺を持ち上げると、俺に人生初の胴上げをしてくれる。 もちろんそのまま黒い車に無理矢理のせられるのだが、 あまりにも俊敏なそのスピードと、危険さに誰も近寄らない。 車に入ると最寄の黒組織で入手した2本のピストルと昔の海賊とかが持ってそうないかにもって感じのナイフを3本位 俺のむねにあててくる。しばらくして 総本山につくとまず俺を地下5〜6階の部屋の今最新のカードロック付きの牢屋に監禁される。 そして椅子に縛り付けられ見たこと無い色の薬を3本位俺に打たれる。 「●●よ!●●よ!」っと同じことをずっと繰り返しているビデオを丸2週間ほど見せられいい感じに仕上がった俺を 裏の教団の教祖が生物実験第2031番に任命する。 ●●さまに奉仕できると俺はひたすら喜ぶ。狂ったように喜ぶ。・・・てな具合で残りの人生をダークなものにしかねない。

友達もそろそろ飽きてきたみたいだし帰ることにした。 あとでおばさんにもらった冊子を見ると書き込みがぎっしりある。 どう処理しようか。捨てたら本気で罰当たりそうで怖い。


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